スマホ“1日2時間”条例案に厳しい声 市長は「“勉強や仕事を含んだ2時間”という誤解があった」 愛知・豊明市

市民に対しスマホの使用を1日あたり2時間以内を目安にするよう促す条例案。きょう、愛知県豊明市の議会では、市側に厳しい質問が相次ぎました。
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愛知県の豊明市が市議会に提出した、スマホの使用を1日2時間以内とするよう促す条例案をめぐり、きょうの議会で市に対し厳しい質問が相次ぎました。
(豊明市 清水義昭市議)
「他の自治体にあるゲーム条例は、あまり効果がみられていない」
(豊明市 こんどうのぶお市議)
「この条例があったとしても、大人は誰にも注意されません」
「この条例があっても、大人は誰にも注意されません」
これは8月、豊明市が市民のスマホの使用の目安を仕事や勉強などをのぞき、1日2時間以内とする全国初の条例案を市議会に提出したものです。
条例案には罰則規定はなく、家庭内で子どもの睡眠時間を確保するため、小学生は夜9時、中学生以上は夜10時以降の使用を控えるよう促すことなどが盛り込まれています。
こうした中、きょうの市議会本会議の質疑では、議員から条例案の効果や目的を疑問視する声が相次ぎました。
(豊明市 清水義昭市議)
「条例が制定された場合(スマホの)過剰使用は減ると考えていますか」
(豊明市 浅井俊一教育部長)
「条例の意図としては、各個人・各家庭でそれぞれの使い方を見直すきっかけに。家族で話し合う機会をもってもらうことを促すため」
(豊明市 こんどうのぶお市議)
「この条例があったとしても、大人は誰にも注意されません」
(浅井教育部長)
「特に市が個人を制御するという意図はございません」
今回の条例案を提出した、小浮正典市長は目的はあくまでも「家族との時間や、食事、睡眠時間を削っていないか見つめ直す機会にしてもらうこと」だといいますが…
(清水市議)
「過剰使用が身体的・精神的・生活面で悪影響を引き起こしかねないと、結論づけた具体的な科学的根拠は何でしょうか」
(浅井教育部長)
「厚労省のガイドライン『健康づくりのための睡眠ガイド』を基本に、条例としてはあくまで『睡眠時間の確保』『家庭・個人でのルール作り』」
市長「“勉強や仕事を含んだ2時間”という誤解があった」
きょうの論戦を終え、市長は条例案可決に向けて理解を求めました。
(豊明市 小浮正典市長)
「“勉強や仕事を含んだ2時間”という誤解があった。われわれはあくまで睡眠時間や家族とのコミュニケーションが大丈夫か、それが大丈夫であれば2時間はあくまで目安。それぞれの方が見つめ直したり、家族で話し合ったりということにつながっている」
条例案は今月16日に市議会の委員会で審議され、22日の本会議で採決される予定です。可決されれば、10月1日に施行されます。