従来の健康保険証は12月1日で“有効期限切れ”に マイナ保険証への移行メリット“受診歴や処方薬のデータを記録”も…医療現場「情報更新に最大1か月かかることも」

12月1日をもって、従来の健康保険証がすべて期限切れとなります。マイナ保険証にどれだけ切り替りかえている人がいるのか。そして医療機関の課題は、解消できたのでしょうか。
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従来の健康保険証が使えるのは12月1日まで。翌2日以降は使えなくなり、マイナ保険証が基本になります。全国健康保険協会は現在、『使用できなくなった健康保険証については、ご自身で廃棄してください』と案内しています。
11月25日、訪ねたのは名古屋市北区の「かわなかクリニック」。去年10月の取材では、マイナカードを読み込むカードリーダーの起動に、18分以上の時間がかかりました。
(かわなかクリニック・佐野由衣院長)
「新規の患者の受け入れができず、最新の人だけ呼ばれて怒ってしまうとか」
当時は全国的にも、システム上の問題を報告する医療機関が多くありました。
スマートフォンでの読み取りは、医療機関によって未導入のところも…
そして、ことし2月。再度、読み込み時間を計測させて頂くと…6分。4か月前と比べて1/3にまで短縮。再起動する場合のことも想定すると、システム上の問題で待ち時間が長くなることは、患者と医療機関側双方にとって避けたいところ。
そして、きょうも同様に計測してみると…結果は5分。最短記録更新です。
このクリニックではことし10月、スマートフォンでマイナ保険証の認証が行える機械も導入したということでした。しかし…
(佐野院長)
「どうしても(機械の)注文が集中してしまい、(このクリニックは)割と早く届いたが、ゆっくり申請したクリニックは数か月待ちと聞いている」
スマートフォンでの読み取りについては、医療機関によって出来る・出来ないがまだあるので注意が必要です。
受診歴や処方薬の情報更新…最大1か月かかることも
そもそもマイナ保険証のメリットは、受診歴や処方された薬のデータがしっかり記録されることです。ただ、診療後に即座に情報更新されるかというと…
(佐野院長)
「(情報更新に)最大だと1か月ぐらい」
Q.本来使ってはいけない薬を知らずに使ってしまう場合もある?
「(情報更新されない間に誤った薬が処方される)可能性は十分あると思う」
このタイムラグをなくすことが課題だと、佐野院長は指摘します。
クリニックでは、25日の時点でマイナ保険証の利用者は全体の4割ほど。12月2日以降が心配だと言います。
(佐野院長)
「期限切れを迎えることを知らない人が多いのではないか」
マイナ保険証のメリットは?
そこで患者のみなさんに伺うと…
(マイナ保険証を利用)
Q.いつ頃からマイナ保険証に切り替えた?
「ことしに入ってからかな。(マイナ保険証に)移行されるでしょ?」
(健康保険証を利用)
「面倒なイメージがある」
Q.いつ頃切り替える?
「今週末ぐらい」
そんな中で、きょう始めてマイナ保険証を利用するという90代の女性が…。
(90代女性)
Q.切り替えようと思ったのはなんで?
「政府がやることだから、しょうがない」
佐野院長は、これまでの健康保険証で問題はなかったと言います。
(佐野院長)
Q.マイナ保険証のメリットは?
「患者側のメリットは2枚持ち歩かなくていいこと。運転免許証などとも一緒になっていれば、カードが減るというメリットはあるかもしれない」





