
帰宅中の高校生がクマに襲われた岐阜県 クマの専門家に聞く「私たちがすぐにできる対策」

岐阜県中津川市で2日、帰宅中の男子高校生がクマに襲われてけがをしました。私たちができる対策について、クマの生態に詳しい岐阜大学応用生物科学部の淺野玄准教授に聞きました。

「岐阜県内は山が多く、どこにクマがいてもおかしくないくらい個体数が多く、分布域も広い。よほどの街中でない限り、山があるところはクマが出るかもと考えたほうがいい」
Q.事故が起きた午後7時過ぎは、クマにとってどのような時間帯?
「クマの本来の活動時間は日中です。ただ人里に近いところを生活の一部にしているクマは、人との遭遇を避けたいので、夕方から夜、そして早朝にかけて活動するようにシフトすることが知られている。人里に近いところだと、夜や朝方に注意が必要」
Q.私たちが気をつけることは?
「一番はクマと出合わないようにする対策。人の存在をクマに知らせるよう、登下校の時を含めて鈴やホイッスルを持って、複数で行動することがすぐにとれる対策」
Q.今後もクマは出没しそうですか?
「岐阜県はクマの目撃件数が毎年一定程度ある。個体数も増えてきている状況なので、長期的にみると、クマの個体数を一定程度減らすことを合わせてしないと、目撃件数はなかなか減りにくい状況だと思う」
岐阜県は出没状況を「クママップ」で公開

淺野准教授から聞いた、クマから身を守る方法のおさらいです。
1.「音で人がいることを知らせる」
鈴やラジオなど、自然界にない音を鳴らして歩く。
また、登山道など歩きだしの途中で、ホイッスルを吹いたり、大声を張り上げたりする。
2.「複数で行動する」
単独ではなく、複数で行動して人の気配を多くしてクマに警戒させる。
3.もしクマに出合ったら「有効な方法はない」
・距離がある場合:音などで刺激せず、その場から立ち去る。
・近距離の場合:襲ってくる状況になったら首から上を守る。
県はクマの出没状況を「クママップ」で公開しています。
お出かけの前に、これからどんなところに行くのか確認しておくことも必要です。