大量のデータ整理など、AIが得意な作業を任せて、仕事を効率化。そうすることで生まれる”メリット”とは?
「JR東海の管内で拾得された約3か月分の忘れ物が保管されています」(JR東海 営業本部 笠原健吾さん)
高く積み上げられた段ボール。中身はすべて列車や駅での忘れ物です。
名古屋市港区にある「JR東海お忘れ物センター」。
東京駅から新大阪駅の間で見つかったすべての忘れ物がここに集まり、3カ月間、保管されています。中にはこんなものも…
新幹線の車内に忘れられていたという大型の世界地図。
ほかにも自転車や、買い物カートなども“忘れ物”として保管されています。
AIが忘れ物を解析して管理

年間約70万件も集まるという忘れ物。
一つでも多く持ち主に返すため、2025年から導入されたのが、AIを使ったサービスです。
「AIを活用した画像認識により、作業時間が5割程度減少すると見込める」(JR東海 丹羽俊介社長)
これまで、それぞれの駅ごとに管理していた忘れ物。その細かな特徴を駅の係員が手作業でシステムに登録していました。
新たなサービスでは…
「忘れ物のスマートフォンの写真を撮ると、AIが解析して『iPhone』『白色』『アップルのロゴがある』と、自動で入力してくれます」(笠原さん)
忘れ物の検索もAIで効率化

そして、忘れ物を見つける作業もAIで効率化しています。
これまでは電話などで問い合わせ、案内係員とのやりとりの中で忘れ物を特定。その後、改めて駅係員から電話があり、受け取り方法などの確認をしなければなりませんでした。
今はLINEや電話を使って必要な情報を入力すると、案内係員がAIを使って検索。
今まで以上に早く正確に忘れ物が特定されるようになりました。
「導入前後で比べると、お返しできる割合は改善している。係員からも『AIを使ってもろもろの対応がかなり効率化した』という声をもらっているので、社内外ともによい施策だったのかなと思っています」(笠原さん)
保育現場もAIで負担軽減

名古屋市港区の「あいめいこども園」。
子どもを預けた後、保護者が向かったのはタブレット。
園児のクラスと名前を選び、登園の手続きを完了。
全国の保育園や幼稚園などで導入が進んでいる「ルクミー」という保育支援サービスです。
「(園で)食べたごはんやお昼寝の時間を教えてもらい、タップすると写真も見られる。文字だけでないよさがある」(保護者)
「夫とも情報共有がしやすいというのは、一番大きい」(保護者)
大量の写真をAIが管理

この「ルクミ―」にも、保育士の仕事の負担を減らすため、AIが活用されています。
子どもたちの「今」を残すため、保育士が撮影する園児の写真。日々の記録として保護者に送るほか、販売もしています。
どうしても大量になってしまいますが、その管理はAIが担っています。
「写真の『ばらつきチェック』をやっています。子どもたちの顔を事前に登録できるので、その子ごとに仕分けを自動でしてくれて、枚数のばらつき調整やその子の写真を振り返ることができます」(保育士 長尾瑠美さん)
これまでは、写真にうつる園児の名前を確認する保育士、それぞれの枚数を数える保育士の2人で作業し、整理するのに1時間かかる時もあったということです。
「今までは、自分たちで写真を一斉に表示して、誰の写真が多いかを目で見て確認し、表でチェックをつけて確認していたので、その時間がかなり短縮されました」(長尾さん)
保護者へのおたより作成にも、AIが活用されています。
「ひよこ組で胃腸かぜが出ていたので、保護者にお知らせしたいと思います」(長尾さん)
知らせたい内容の単語を入力すれば、おたよりの文章が作成されます。
「以前は、去年どんな内容だったのか、どのように送ればいいかの確認や、この文章で伝わるのかを主任の先生や上司に確認する時間があったんですけど、そこも短縮されたので、お互いに時間が作れるようになった」(長尾さん)
子どもたちと向き合う時間が増えた

サービスを開発したのは、名古屋で創業された会社「ユニファ」です。
「どうすれば保育士の先生がやりたいことをもっとできるようになるのか、子どもを観察して『こういうことをしたほうがいい』ということに時間がかけられるようにサービスを考えている」(ユニファ 執行役員 CPO 山口隆広さん)
AIが得意な仕事を任せることで、保育士が「子どもたちと向き合う」時間も増えたといいます。
「クラスのイベントでボディーペイントをやるとか、秋は音楽会、冬はクリスマス会。月に1回やるのは大変だけど、時間ができたからこそ可能になったと思います」(保育士 秋枝帆乃香さん)
保育現場を支えるAI。保育士と子どもたちの笑顔が生まれています。


