
1日で“推し”に400万円 トキメキ求め… ホストに高額料金を払う女性たち でも“疑似恋愛”は御法度に!?

疑似恋愛のようなサービスを売りに女性をもてなすホストクラブ。高額な請求が問題とされ法規制も強まっています。店に足を運ぶ女性たちを取材しました。
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きらびやかな照明と喧騒の中、ひとときの解放感を求めて集まる女性たち。
(客)
「楽しいです。めっちゃ」
Q自己肯定感は?
「上がります!」
「ぶち上げ!」
名古屋市中区のホストクラブ「youth」。この店では、女性客のほとんどが20代~30代。自分の“推し”を目当てにやってくる。
(客)
「しんどいなと思っている時に、SNSで(推しのホストが)出てきて、パワーをもらえるかなと思って来た」
シャンパンタワーは400万円 女性客「頑張って稼ぎました」
世間一般の相場より“超高額”な酒が次々に注文されていく。
(ホスト 俺薔薇 仁さん)
「きょう誕生日。この(シャンパン)タワーも僕のもの」
この日は店の人気ホスト、俺薔薇 仁さんの誕生日。推しているという女性客のプレゼントが…10段以上積まれた、シャンパンタワー。これを作るのには…
(客)
「400万円。頑張って稼ぎました。ホストが好きっていうより、仁君が好きで通っている」
他の客も、自分の推しのホストの売り上げを伸ばそうと数十万円するシャンパンを次々と注文していく。
(客)「きょうはシャンパンで50万円くらい」
(客)「きょうで30万円くらい。(金銭的に)きついけど、やろうと思えるくらい支えてもらっているから」
(客)「はい、(お金)数えて…」
中には現金払いの客もいるが、高額な代金をその場で支払う人はほとんどいない。
ホストクラブでは月末などにまとめて支払う「ツケ払い」が一般的で、支払い時に100万円単位になることも少なくない。
それでも夢を求めて、女性たちは足を運ぶ。
「ホストの遊ぶ金ほしさに盗みをやりました」
しかし、このホストクラブの支払いをめぐるトラブルや事件が相次いでいる。
7月、中区新栄でホストクラブを経営する男が逮捕された。自分もホストである男は、ツケでたまった売掛金約100万円の支払いを求め、客だった女性の自宅に押しかけて大声で脅し、女性を怖がらせた疑いが持たれている。
一方、多額の支払いに困った客側が犯罪に手を染めるケースも。
「ホストクラブの売掛金の支払いや、ホストの遊ぶ金ほしさに盗みをやりました」
岐阜県各務原市の保険外交員の女は、顧客だった88歳の女性のキャッシュカードを無断で使い、銀行口座から総額500万円以上を引き出していた。逮捕前までホストクラブに通いつめていたという。
その時の女の様子を知る人に取材すると。
(女の知人)
「ことし4月に一度も(ホストの)お金を払っていなくて、その支払いが月末って言っていた。(ホストが)『早く返せ』的な感じになってきて、『てめぇ、金 本当は持ってないだろ』みたいな。すごい恐怖感を彼女が覚えているように感じた」
女の推しだったホストは、CBCの取材に対し「一方的に強要した事実はない。事件には何も関与していない」と話した。
看板は一部が“黒塗り”に
疑似恋愛のようなサービスで多額の料金を請求するホストクラブ。しかし、このビジネスの形そのものに法規制が強まっている。
ことし6月には風営法の改正で、恋人のように扱って客の恋愛感情に付けこむ「色恋営業」や、売掛金支払いのために、性風俗店で働くようあっせんする行為を禁止。さらに…
(脇田亜彩香記者)
「ホストクラブの看板の一部が、不自然に黒く塗りつぶされています」
広告の隠された部分には「売上ナンバーワン」や「1400万円プレーヤー」といった文字が。「推し」のホストを勝たせようと客の使う額がエスカレートする「人気ランキング」なども規制の対象に。
女性客「生きる意味にもなってくれている」
再び名古屋市中区のホストクラブ「youth」。
(俺薔薇 仁さん)
Qナンバーいくつくらい?
「それ言っちゃっていいんですか?今、ナンバーとかあまり言っちゃいけないみたいで。男なんで承認欲求満たされる機会は減ってしまったかなと思う」
(元ナンバーワン 夏樹ハルトさん)
「ホストの積み上げてきた悪事のせいでこうなっているのは、しょうがないとは思うんですけど…しょうがないですね」
法規制で、業界は大きな影響を受けそうだが、それでも…
(客)
「7月は毎日来ていました。しんどいことが多いけれど、会うだけで生きていて良かったなってなる。生きる意味にもなってくれている」
曲がり角を迎えているホストクラブ。しかしそこには、シャンパンの泡のように消えるひとときの“非日常”を求め、女性たちがきょうも足を運ぶ。
CBCテレビ「ニュースクロス」2025年8月20日放送より