
“二刀流”の女子高生侍、強烈バッティングの秘密は最速120㎞の左腕 「手で打つ」新感覚のスポーツとは?ベースボール5・森本愛華選手(18)

ベースボール5でアンダー18日本代表に選出され、アジアカップでは優勝&MVPを獲得した森本愛華選手。ヒットを生み出す、強烈バッティングの秘密に迫ります。
U-18日本代表選出!アジアカップでMVP獲得
名古屋市昭和区にある『中京大中京高校』。体育館で練習する生徒のなかに、1人だけ違うユニフォームで練習する女の子がいました。
愛知県豊田市出身の森本愛華選手、18歳。その活躍ぶりから、“女子高生ザムライ”と呼ばれています。

ハロウィーンにはお菓子を作ってパーティーするなど、普段はイベント大好きな女子高校生。そんな彼女がなぜ、「サムライ」と呼ばれているのでしょうか。
その理由は、「ベースボール5」での活躍にありました。ベースボール5とは、その名の通り、野球から派生した新スポーツ。野球の約4分の1のフィールドで、男女混合1チーム5人で行われます。
森本選手は軟式野球部に所属しながら、ベースボール5を行う二刀流。ベースボール5のアンダー18日本代表として、侍ジャパンに選ばれると、今年3月に行われたアジアカップで優勝し、なんとMVPを獲得。その後のワールドカップでは、7位に入賞しました。

その活躍に、森本選手の注目度は急上昇!今年夏に行われた甲子園では、女子高校生として“史上初”となる始球式を行いました。
野球から派生した新競技「ベースボール5」とは?

ベースボール5の最大の特徴は、道具を使わないこと。競技中の映像を見てみると、バットもグローブも使っていません。そして、ピッチャーもいません。
一体、どうやって競技をしているのでしょうか?実際に見せてもらいました。

ピッチャーが投げたボールをバッターが打ち返す野球と異なり、ベースボール5では、選手自らがボールのトスを上げ、自分で打ちます。

使用するボールは、野球ボールのような見た目ですが、“ぷにぷに”とした柔らかさが特徴。しかし、重量感も兼ね備えているため、「(手で打つ時)最初は結構痛かったけど、今はもう慣れて痛みはないです」と、森本選手は同競技を始めた頃の思い出を明かしました。
バッターボックスは野球と比べて広々!このエリア内であれば、どこからボールを打ってもOKなのだそう。
“相手の手をはじく”強烈な打撃の秘密

ベースボール5は、絶対にフィールド内でバウンドさせないといけないルール。ホームランの概念はないため、バッターボックスから打つ、強烈なゴロが勝負の決め手となります。
森本選手の強みは、この“打球”にありました。
左利きの森本選手が放つ打球について、同校の軟式野球女子部・土井和也監督は「左で打つんですけど、左から出される独特な打球が、なかなか守備に取られない打球」と話します。
さらに森本選手には、強力な打撃を可能にする”ある理由”がありました。
土井監督:
「(森本選手は)野球の中ではピッチャーをやっているんですけど、彼女は120キロ投げる。もうトップレベルです」
森本選手:
「私は上から投げるような打ち方なので、それが一番つながってるかなって思います」

森本選手の投げ方と打ち方を比較すると、ほぼ同じ。なんと120キロと同じ投げ方で、ボールを打っていたのです。
この彼女ならではのフォームが、“強烈な打撃”を可能にしている理由。軟式野球の投球をいかし、実際の試合でも相手の手をはじく、力強い打球でヒットを生み出していたのです。

現在高校3年生の森本選手。高校最後の試合となる次の大会に向けて、「来年1月に日本選手権があるので、そこで日本一をとりたいです」と力強く語りました。





