名駅“暴走事故”から1週間 “危険運転”原因いまだに分からず 「音で感知」が難しい通勤ルート

名古屋駅近くの交差点で、車が暴走し、3人が死傷した事故から1週間。容疑を否認しているという71歳の男。事故の原因はいまだに分かっていません。

通勤や通学で多くの人が行き交う名古屋駅付近の交差点。この場所で事故が起きてから1週間です。
現場には、小雨の降る中、手を合わせに来る人の姿がありました。

10月15日午前7時40分ごろ、横断歩道を渡っていた3人が、バスターミナルや駐車場につながる誘導路から出てきた軽乗用車にはねられました。
会社員の田中幸子さんが死亡し、男女2人が重傷を負いました。車を運転していたのは、71歳の鳴海洋容疑者。現行犯逮捕され、危険運転致死傷の疑いで送検されました。

青信号を渡っていた歩行者がはねられるという痛ましい事故。
現場を見た元埼玉県警の佐々木成三さんは、ある特徴を指摘します。
元埼玉県警 佐々木成三さん:
「現場を見てみると、電車の雑音が頻繁にあるので、ここを通勤で慣れている方は音の感知は難しいなと思いました。映像を見ていると通行人の方は事故してから気づいている方が多い。異常を察知しているのが後からなので、異常を察知できなかったのは音が聞こえなかったのもあるかもしれない」
異常を感知するきっかけとなる“音”が聞こえにくい状況のなか、猛スピードで突っ込んできた車。とても避けられる状況ではありませんでした。

一方、こうした“通勤ルート”には大勢で歩くことで引き起こされる危険もあるといいます。
佐々木成三さん:
「発生時間帯の方が通行人がかなり多いということで、視野もあまり周囲を見ることはできない状況だったと思います」
多くの人が通勤する横断歩道に突っ込んだ車。鳴海容疑者は「人にぶつかっていない」と容疑を否認していますが、警察は認知機能などに問題はなかったとみて、運転していたときの状況を調べています。