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名古屋名物「きしめん」が粘土に!? 南山大学の学生たちが”もったいない”減らすSDGsプロジェクト
![メ~テレ](https://service.locipo.jp/images/logo_nagoyatv.png)
愛知県のソウルフード、きしめん。味が染みた、もちもちでつるつるの麺は根強い人気を誇ります。その裏にある”もったいない”を解決しようと、名古屋の大学生たちが立ち上がりました。
![「南山大学SDGs普及啓発団体CLOVER」のメンバー。中央が本田光さん](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02851001.jpg?v=1739511269)
名古屋市昭和区にある南山大学の学生団体「南山大学SDGs普及啓発団体CLOVER」。
学生約140人が在籍していて、プロジェクトごとにチームを組み、社会問題の解決に向けた活動をしています。
2021年にこの団体を立ち上げたのは、南山大学大学院2年の本田光さん(24)。企業と連携して、SDGsに取り組んできました。
きしめん製造会社の悩み
![きしめんの製造過程で出る端材](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02851002.jpg?v=1739511269)
本田さんは2023年春、きしめんなどを製造する「秋田製麺所」(愛知県豊山町)が、あることに悩んでいることを知りました。
それは、平らで薄いきしめんを製造する過程で、折れて端材が出てしまうことです。きしめんの製造作業はすべて手作業で、端材は月に20kgほど出ているといいます。これは商品化できずに廃棄されていました。
この端材を生まれ変わらせようと、本田さん率いる「CLOVER」が動きだしました。
一番苦労したのは、「開発する商品にどんなメッセージをもたせるか」ということです。
子どもたちが遊びながら、エコや環境配慮について知るきっかけになるものを作れないかと、案を出し合いました。
子どもから大人まで幅広い年代に手に取ってもらえて、”もったいない”を減らすことの大切さを考えるきっかけになればと考えた結果、たどり着いたのは「粘土」です。
その名も、「きしめんど」。
粘土メーカーにも協力を仰ぎ、開発を進めました。
「やさしい」に3つの意味
![「きしめんど」は1セット1000円。開発ストーリーを、子どもにもわかるように漫画で紹介している](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02851003.jpg?v=1739511269)
商品名は、『やさしい秋田さんの「きしめんど」』。
”やさしい”には、3つの意味があります。
1. 天然由来で”人”にやさしい
2. 端材を使用しているので”環境”にやさしい
3. 端材に困っていた”秋田製麺所さん”にもやさしい
商品は、繰り返し遊べるようにボックスに入っています。リーフレットには、子どもでも読める開発ストーリーの漫画がついています。
小麦粉が材料なので、カビが生えないか検査もして、玩具の安全基準を満たした「STマーク」を取得しました。
高校生にも好評
![「きしめんど」のワークショップ。一般的な粘土よりも弾力があり、「扱いやすい」という感想があったという](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02851004.jpg?v=1739511269)
「作るからには、商品として確実に完成させたい」とこだわり、2年近くをかけて完成した「きしめんど」。
1月22日には、南山高等学校女子部の生徒28人に、「きしめんど」を使ったワークショップを実施しました。どんな感触かを体験してもらい、作品を制作する内容です。
生徒たちは「手にくっつかないのにモチモチで伸びる。いろんな作品ができる」と楽しんでくれたといいます。
本田さんは今後も、幼児から高校生まで、年齢に合わせたワークショップを展開したいということです。春休みには、「秋田製麺所」がある豊山町の小学校でも計画中です。
端材を提供した秋田製麺所は「粘土にするとは斬新でいいなと思った。きしめんになれなかった子たちが生まれ変わった。ワークショップではみなさん上手に作品を作っていて、楽しんでもらえてうれしい」と喜んでいます。
ふるさと納税の返礼品にも
ワークショップだけではありません。
豊山町は、「秋田製麺所」のきしめん4人前と「きしめんど」のセットを、ふるさと納税の返礼品に予定しています。
2月下旬から「秋田製麺所」のオンラインショップ(http://www.akitamen-shop.com/)で販売されるほか、県営名古屋空港の売店や生協などでも販売し、開発ストーリーとともに広めていきたいということです。
本田さんは「”もったいない”を別の形に変えられることを伝えたい。親子で環境について考えるきっかけづくりになればいい」と話しています。
(メ~テレ 高根まどか)