新型コロナワクチン 分かれる賛否 10月から高齢者対象に定期接種再開 医師や自治体のスタンスは?

10月から高齢者対象に定期接種再開

10月から始まっている、新型コロナワクチンの定期接種。主に高齢者を対象にしたものですが、医師によっても自治体によっても意見は様々。現場を取材しました。

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高齢者などを対象に再開された、新型コロナワクチンの定期接種。全国民が対象の無料接種として始まってから5年が経ちました。

(やまねクリニック 山根則夫院長)
Q.新型コロナワクチンの定期接種は今年も続ける?
「もちろん続ける。高齢者は重症者・死亡者がインフルエンザと比べて多い」

名古屋市北区の「やまねクリニック」では、定期接種初日(10月1日)に予約している人はいませんでした。

(やまねクリニック 山根則夫院長)
Q.打つ人が減った実感はある?
「『定期接種やっているの?』という感じ。新型コロナに関しての関心が薄れてきたのが一番大きい」

「新型コロナワクチン」打つ?打たない?分かれる賛否

新型コロナワクチンの接種については、昨年度から国の助成金がゼロになり自治体の補助だけになりました。本来ワクチンの費用は1回約1万5000円ですが、名古屋市では市の補助金が約7800円出るため、半額の自己負担で接種を受けられます。

クリニックを訪れていた人は…

(80代)
Q.新型コロナワクチンは接種する?
「打たない。毎年打っていない」

(80代)
Q.新型コロナワクチンは接種する?
「もちろん、毎年打っている」
Q.値段は気にならない?
「気になるけれど、健康の方が気になる」

(60代)
Q.新型コロナワクチンは接種する?
「しない予定。(新型コロナワクチンの)十分な情報をもらえていないと感じる。安心して打てる状態だと思っていない」

「メリット・デメリットを説明するのが医療機関の責任」

多い人では10回目となる新型コロナワクチンの接種について、名古屋市医師会の会長も務める山根院長は…

(やまねクリニック 山根則夫院長)
「重症化を防げると思うし、感染確率も減ってくる。論文にも報告されている」
Q.新型コロナワクチンの副反応に苦しんでいる人がいる事実についてはどう思う?
「メリット・デメリットを説明するのが医療機関の責任。説明した上で本人が判断して、接種する必要があると考えている」

“違う種類のワクチン”に切り替えた医療機関も…

こうした中、副反応への懸念から違う種類のワクチンに切り替えた医療機関も。

名古屋市千種区の「むらもとクリニック」。新型コロナ用に開発された「メッセンジャーRNAワクチン」をやめて、昔ながらの技術によるワクチンに切り替えました。

(むらもとクリニック 村元秀行院長 9月24日)
「(メッセンジャーRNAワクチンを打った人に)重篤な副反応が出ている情報をキャッチして、いろいろ悩んだ。どうしてそういうことが起こるのか、文献をあさって最終的にメッセンジャーRNAのワクチンは今後は使わない判断をした」

ウイルスの一部を体内でつくる「mRNAワクチン」

ワクチンの仕組みはこうです。

新型コロナウイルスの表面にはスパイクタンパクと呼ばれる「とげ」があり、この部分の遺伝情報「メッセンジャーRNA」を注射します。すると体内でウイルスのスパイクタンパクが次々に作られ、これに反応して免疫ができるのです。全く新しい技術ですが、ワクチンの成分やスパイクタンパクそのものが副反応を引き起こすという研究もあり、いまも議論が続いています。

村元院長は、メッセンジャーRNAワクチンを勧めない理由について患者に説明しています。

(むらもとクリニック 村元院長)
「(メッセンジャーRNAワクチンを)これからはやらない理由を時間があれば患者さんに見せていた」

患者さんへは以下の理由を説明。
理由1:感染予防効果が実証されていない
理由2:むしろ感染しやすくなるという報告がある
理由3:オミクロン株対応二価ワクチンでも古い抗体だけ増える
理由4:繰り返し接種によって懸念されていることがある

(むらもとクリニック 村元院長)
「マイナスの点に目を向けて自分で一生懸命調べないと、なかなか本当のことが見えない。立ち止まって考えることは実は難しいことなのかもしれないが、科学的な視点を持つことが大事だと思う」

名古屋市のスタンスは?

こうした中、名古屋市では…

(名古屋市健康福祉局健康部 予防接種担当 山田悠貴さん)
Q.去年の接種率は?
「令和7年度の接種率は5~6%程度。約3万人を超える方に接種をしてもらった」

国の助成金もあり、自己負担額3200円だった令和6年度の名古屋市の新型コロナワクチンの接種率は12.6%でしたが、国の助成金がなくなり7000円を超える自己負担額になった昨年度の接種率は、5~6%と前の年の半分以下となりました。

(名古屋市健康福祉局健康部 予防接種担当 山田悠貴さん)
「新型コロナワクチンは国の定期予防接種という位置づけ。国の発表によると新型コロナで亡くなる人が約2万1000人。その約98%が65歳以上というデータもあるので、接種を希望している人が接種できることが大事だと考えている」

健康被害は「明らかに異常事態」訴える自治体トップも

一方で、こんな自治体も…

(泉大津市 南出賢一市長 10月6日)
「市としては、ワクチン費用の『補助はしない』というスタンス」

大阪府の泉大津市では、2年前の定期接種から自治体の補助金を出していません。

その理由は…

(泉大津市 南出賢一市長)
「健康被害の数字の事実と科学的にわかってきたこと。打ってから体調不良になった人や亡くなったその家族など、いろんな人と会う中で事実を見てきた。明らかにこれは異常事態だと思う」
Q.(ワクチンを打つかどうか)市民が質問したら?
「『打たない方がいいと思う』と言う」

市の公式YouTubeで“新型コロナワクチンへの懸念”を…

南出市長は市の公式YouTubeで「新型コロナウイルスに関するメッセージ」を公開。再生回数は100万回を超え、視聴者が動画の拡散を後押しする週間ランキングの「ハイプ」で1位。関心の高さもうかがわせます。

(泉大津市 南出賢一市長)
「市民と国民の命と健康に関わることは、おかしいものはおかしいと政治家が体を張らないといけないと思う」

(大石邦彦アンカーマン)
「厚生労働省は『重大な懸念はない』という姿勢をずっと貫いているが、厚労省のこの姿勢についてはどう思われますか?」

(泉大津市 南出賢一市長)
「重大な懸念しかない。不誠実だと思います」

接種開始から5年。健康被害を心配する声がある一方、国は「重大な懸念はない」としている新型コロナワクチン。安全性をめぐる議論には、いまだ決着がついていない状況です。

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