
マイナ保険証一本化で従来の健康保険証はどうなる?医療機関の7割が悩む“読み取りトラブル” さらに今年2800万人に迫る「電子証明書」期限切れも

(大石邦彦アンカーマン)
去年の流行語の1つに「マイナ保険証の一本化」という言葉がありましたけども、これまでいくつかの健康保険証の期限が切れています。確認してみましょう。
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従来の健康保険証は主に3つあるんですね。自営業などの方が対象の「国民健康保険」、会社員や公務員が対象の「被用者保険」、そして75歳以上の人が対象の「後期高齢者医療制度」の保険です。国民健康保険と後期高齢者医療制度の保険に関しては、7月31日をもって期限が切れて、既に廃止となっています。
どういう対応だったのか。国民健康保険は来年の3月末まで、従来の健康保険証を使えるような暫定措置がとられました。
そして後期高齢者医療制度は、本来はマイナ保険証を使わない人にしか送られないはずの「資格確認書」というものがあったんですが、これをもう全員に交付しました。
被用者保険は12月1日で廃止に…保険証はどうなる?
では12月1日で廃止となる「被用者保険」はどうなるのか、ということで対応を見ていきましょう。3つあります。
1つはマイナ保険証に切り替えることです。ただ、マイナ保険証に切り替えた人には「資格情報のお知らせ」というのも送られています。もし、マイナ保険証を読み取りできないなんてことになると、この資格情報のお知らせがあればトラブル解決。なので、「(マイナ保険証との)2枚持ちをお願いします」ということなんです。
そして、マイナ保険証に切り替えない方は「資格確認書」、これが従来の健康保険証の代わりになるものです。
そして3つ目というのが、今回暫定の措置で「4か月期限延長」なんですね。だから、来年の3月末まで使えます。
4か月の期限延長…来年3月末までに解決できる?
猶予期間で、今ある問題というのは解決できるものなのでしょうか…
おそらく、解決できないと思います。かなり難しいんじゃないかと思います。これが医療機関にアンケート調査を行った結果なんですけど、「資格確認トラブルがあった」と答えたところ、全体の7割もあるんですよね。
そもそもカードリーダーで資格確認ができないというトラブルがあったり、名前で言うと、高橋さんだと、難しい「髙(はしごだか)」だと、読み取れないから黒丸(●)になって入力し直さないといけない。
ワタナベさんの「ナベ」の字や、サイトウさんの「サイ」も複雑な字があります。常用漢字以外の方はこういうトラブルもありそうです。
これらは以前と変わらないトラブルで、それが改善されてないから、期限が延びたとしても改善されないんじゃないか、ということなんですね。
実はまだある「期限切れ」…あと2つとは
そして「期限切れ」については、実はあと2つあります。マイナンバーカードの有効期限は10年なんですけども、10年に1回更新しなきゃいけない。この期限切れに気をつけなきゃいけない。
また、マイナンバーカードの中に含まれている「電子証明書」というのがあって、これがないと保険証も免許証も使えないんです。この「電子証明書」の有効期限が5年なんです。だから、5年に1回更新しないといけない。
「電子証明書」が今年、期限切れを迎えたのが約2768万人です。来年は約2020万人。再来年も約2759万人。だから、これだけの人が期限切れを解消しなければならないということで、これにも注意が必要なんですよね。
様々な期限切れがあったり、マイナ保険証自体の課題を抱えたまま、いよいよ12月1日を迎えることになりそうです。





