プラモデル用接着剤の種類・違いを解説! 通常タイプと流し込みタイプはどう使い分ける?
プラモデル初心者でも気軽に作りやすい「接着剤を使わないプラモデル」が増えていますが、戦車や飛行機など、実在するものをモチーフにしたスケール模型のほとんどは組み立てに接着剤が必要です。また、接着剤を使わないキットでも、改造などの少し踏み込んだ仕上げ方をする場合には必要になったりするので、使い方を覚えておくにこしたことはないでしょう。
今回は、もっとも基本となるプラモデル用接着剤についてお届けします。
プラモデル用接着剤とは?
接着剤と一言でいっても特長はさまざま。今回紹介するプラモデル接着剤は、プラモデルに使われているスチロール樹脂を溶かして、対象物と一体化させることで接着するというもの。そのため、接着後の強度は高いですが、固着するのに少し時間を要します。
ちなみに、プラモデルにはスチロール樹脂のほかにABS樹脂が使われていることが多いですが、ABS樹脂の接着には、ABS用接着剤を使いましょう。
プラモデル用接着剤の使い方
ホビーショップの店員さんご協力のもとに、プラモデル用接着剤の代表的な2アイテムの特長と使い方をレクチャーしていきます。
タミヤセメント (角びん) 264円
プラモデルを嗜む人で知らぬ人はいないであろう、タミヤを代表するプラモデル用接着剤です。パーツをはめ合わせる“前”に使うタイプで、キャップの裏の刷毛で塗布します。粘度があるため、たっぷり塗りつけたり、逆にごく少量を点付けしたり、汎用性が高いのも特長。少量で手頃な六角タイプというものもあります。
角びんの接着剤は粘度が高いぶん乾燥に時間がかかるので、完全乾燥には丸一日ほどかかります。ただし、数分である程度固定されるので、接着後に力をかけるようなことがないのであればそのまま組み立てを進めてかまいません。
タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾 429円
粘度の低いサラサラの接着剤を、キャップ裏に用意されている細い刷毛を使って流し込み接着するという、パーツをはめ合わせた"後”に使うタイプの接着剤です。狙ったところに最小限の量の接着剤を流し入れるので、接着剤のはみ出しが少なくすみ、はみ出した場合も目立ちにくいです。乾きも早いので作業効率は高いですが、塗布したところからすぐに乾くので、角びんのような使い方は困難です。
使い終わったら必ずフタを閉めよう
接着剤には有機溶剤が使われているため、フタを締め忘れると中身がどんどん揮発して容量が減ってしまいますし、部屋に有機溶剤がこもって気分が悪くなったりするので、使い終わったら必ずフタを締めましょう。また、作業中にフタが開けっ放しでも、手があたって倒したりしたときの影響はとても大きいです。いろいろなパーツに付着するのはもちろん、木製の作業台やフローリングなどに大量にこぼしたときには、コーティングを大きく痛めることになります。作業中でもこまめにフタは閉めましょう。
今回はタミヤの製品を使いましたが、GSIクレオスからも似た商品がリリースされており、使い方は概ね同じ。若干性能が異なるので、試しに使ってみて馴染みの良い方を選んでみてください!