プラモデルのスミ入れ方法を解説! ペンや塗料を活用してリアルな模型を作ろう
仕上げに行うスミ入れは、作ったプラモデルの情報量を一気に引き上げてくれる重要な作業です。スミ入れの手段は様々。その中でも比較的手軽に挑戦しやすい方法を紹介していきましょう。
●スミ入れとは?
プラモデルは実写の形状に沿った凹凸のディテールが、至るところに施されています。実写の精密さを演出する一方、そのままでは立体感を得られません。そこで登場するのが「スミ入れ」。凹モールドに暗い色を流し込むことで、本来は影が入って立体感が出るところを縮小模型でも表現できます。
●最も手軽!「ガンダムマーカー」を使用
年代によっては、細い油性マジックを使って凹モールドにスミ入れをした、なんて人もいるかもしれません。今では模型専用でそういった商品がリリースされており、手軽にスミ入れ表現を楽しむことができます。
GSIクレオス ガンダムマーカー スミ入れ ふでペン
スミ入れ用のペンで最も手軽なのが「GSIクレオス ガンダムマーカー」。先端が筆になっていて、細かいディテールにもインクを入れやすいです。水性なので水で拭き取り可能。臭いは少なく、家族がいるスペースでもスミ入れ作業に没頭できます。
●ガンダムマーカーでスミ入れを行ってみよう!
ハセガワ 1/72 T-4“ブルーインパルス”にスミ入れを施していきます。飛行機模型は各所に細かいディテールが刻まれているので、スミ入れ表現で仕上がりがガラリと変わります。
凹モールドに沿ってペン先を動かします。はみ出しても拭き取れるので気にせずに進めます。
ある程度描き終えたら、綿棒と水を用意して綿棒に水を含ませます。
水を含ませた綿棒で拭うと、奥まったところのインクだけが残ってシャープな仕上がりになりました。ディテールに沿って拭うと溝に入り込んでいるインクも取り去ってしまうので、ディテールに対して垂直に綿棒を動かすと良いでしょう。
ガンダムマーカーによるスミ入れは、模型用塗装を施した面にも可能です。ただし、塗装面をしっかり乾かした状態で行いましょう。
スミ入れを施した部分は、ほかの箇所と少し風合いが変わります。それを利用して少し使い込まれた雰囲気にできるので、好みの拭き取り具合を探ってみてください!
主翼の一部をスミ入れしただけで、プラモデルの立体感がガラリと変わりました。
●希釈済みのスミ入れ塗料で期待の解像度UP
昔から行われているベーシックなスミ入れ方法は、エナメル塗料を専用溶剤で薄め、モールドに流し入れるというもの。今は、あらかじめスミ入れに適した濃度に希釈されたものが展開され、手軽にスミ入れを行うことができます。
タミヤ スミ入れ塗料(ブラック)
エナメル塗料を展開し続けているタミヤが手がける「スミ入れ用塗料」。ビンには細い面相筆が備わっているので、新たに筆を用意することなくスミ入れを行えます。
エナメル塗料によるスミ入れは、塗料ののびや浸透性の高さを利用したものなので、マーカーを使った方法よりも作業内容としては楽です。塗料を含ませた筆をディテールにそっと刺すだけでOK! ディテールに塗料が流れ込んでくれます。
こうした複雑なディテールもいちいちなぞることなく、素早くスミ入れすることができるのが、エナメル塗料によるスミ入れの利点です。
タミヤ エナメル X-20 溶剤 大ビン
はみ出した部分は専用の溶剤を使って拭き取ります。石油系の溶剤で少し臭いがするので、しっかり換気を行いましょう。
マーカーでのスミ入れとは異なり、はみ出し部分は最小限。拭き取りが楽なのもエナメル塗料によるスミ入れのメリットです。
拭き取りが完了。ディテールが浮き出て立体感が生まれました。ただ、今回は黒で行ったため、必要以上に目立ってしまいました。もう少しグレーに寄った色で行うと自然な仕上がりになったでしょう。
●まとめ
模型の仕上がりに大きな影響を与えるスミ入れは、塗装仕上げはもちろん、あらかじめパーツごとに色分けされているキットの素組みでも非常に効果的なので、ぜひチャレンジしてみてください!
素組みの場合はマーカー、塗装仕上げの場合は、塗面をあまり触らなくて済むエナメル塗料を使った方法がおすすめです。