クラシックミニは人生を変えてしまう名車⁉ 初期型「オースチンミニ」の特徴を解説します!
50年近くものあいだ、基本設計を変えずに世界中で愛され続けてきたミニ(クラシックミニ)シリーズ。現在製造・販売を行うBMWグループの新生ミニとは異なった魅力を持つクラシックミニの特徴をお届けします。
クラシックミニとは?
現在、日本国内で最も販売台数が多い輸入車が、BMWグループが2001年から製造、販売する「ミニ(MINI)」シリーズです。それ以前の2000年まで製造されていたミニシリーズを「クラシックミニ」と呼び、いまもなお、世界各国で愛され続けています。
クラシックミニの歴史は古く、誕生は1959年までさかのぼります。日本でミニの人気が高まったのは1982年に正規輸入された「ローバー・ミニ」の誕生です。クラシカルながらも洗練されたデザインは多くの人を魅了し、自動車に興味のない人が指名買いするほどでした。
初期型「ミニMk-1(オースチン・ミニ)」の魅力
クラシックミニのなかでも憧れの的になっているのが、1959年から1967年にかけて販売されていた初期型「ミニMk-1(オースチン・ミニ)」です。エンジンは848㏄で最高出力も34㎰と控えめですが、車重が600キロしかないこともあって、日常走行は十分可能です。
クラシックミニの特徴の1つが広々とした室内空間。当時は後輪駆動の車がほとんどだったのに対し、クラシックミニでは希少な前輪駆動を採用しました。部品を少なくすることで、居住スペースを確保したのです。
エンジンルームは極めてコンパクトなつくりになっています。通常は縦置きのエンジンを横置きに設置。ラジエーターはあえてエンジンの横に配置することで、省スペース化させました。
車内のインテリアはシンプルなダッシュボードとメーターパネルが目を引きます。現在の自動車は樹脂を成形したダッシュボードパネルが一般的ですが、当時のミニはシートと同じ素材のビニール生地で覆われていました。
また中央にはセンターパネルが設置されており、スピードメーターを中心に警告灯や距離計が効率よく配置されています。現在の最新型のミニまで継承された、クラシックなデザインです。
クラシックミニは走る前に必ず点検を
そして初期型クラシックミニで大事なポイントは走行前の点検です。オイル類はチェック箇所が多く、エンジンオイルやクラッチオイル、ブレーキオイルの点検は欠かせません。ほかにも冷却水やファンベルトの張り具合を点検します。
これはクラシックカー全般にいえますが、部品の品質や耐久性は現在の自動車よりも劣っているので、トラブルが発生する前のメンテナンスは不可欠。また、ミニMk-1では暖機運転は必須のため、暑い夏でも5分ほどは行ってから出発します。
雨の日のドライブはタオルが必須!
さらに走行前の点検以上に気をつけたいのが、雨の日のドライブ。初期型のミニMk-1にはエアコンが装備されておらず、曇った際に窓をふき取るタオルは用意しておく必要があります。
クラシックカーの大敵はボディパネルのサビ。水はけのよくないミニMk-1は、雨天走行後に必ずメンテナンスをします。水気の除去は、ルーフやボンネットなどの外装周りはもちろん、電装系にも影響を与えるエンジンルームは徹底的に行いましょう。
リクライニングしないシートやトラックのような角度のステアリングコラム、フロアから伸びた長いシフトレバーなどクセの多いクラシックミニ。ですが、一度走りだせば爽快なエンジンサウンドが病みつきになります。
「名車と出合い、人生観が変わる」そんな瞬間を、クラシックミニなら味わえることでしょう。