夜中に揚げたて天ぷら?西尾の市場で出会った不思議な日常
深夜に天ぷらを楽しむのがあたりまえ。そんな噂がささやかれるのが愛知県・西尾市。本当にそんな文化があるのか、それともただの噂話なのか…真相を確かめるべく、現地へ向かいました。
深夜に天ぷら?西尾で囁かれる謎の食文化を追う

市場が営業していない時間帯なのに、あかりが灯る
終電も過ぎ、人影の消えた駅前で調査を開始。すると地元の方のご厚意で車に乗せてもらい、暗闇の中を走ること15分。たどり着いたのは、朝5時オープンの「一色さかな村」。
時刻は深夜2時。周囲の店がすべて閉まる中、ひときわ賑わう一角が。店内では、なんと本当に天ぷらが揚げられていました。しかも、次々とお客さんが来店。夜食として、あるいは少し早い朝ごはんとして、皆が思い思いに楽しんでいます。
深夜2時の市場に灯る明かり。にぎわう“天ぷら屋さん”を発見

市場の一角では、お客さんで賑わう天ぷら屋さんを発見
こちらが噂の店、週末限定で深夜2時から朝7時まで営業する「天ほせ 深夜食道スリーナイン」。店名の「ほせ」は西三河の方言で“串”を意味し、揚げたての天串が味わえる一軒です。

えび天だけがどっさり乗った、極上の天丼
市場直送の新鮮なネタを使った天串は、なんと1本200円。さらにタレはかけ放題、エビだけを贅沢に使った天丼は“スリーナイン”の999円と、価格も魅力的。深夜にもかかわらず多くの人が集まる理由が、ここにありました。

深夜3時からの営業だったら、もう少し楽だった(笑)と話す田中さん
このユニークな店を手がけたのは、“一色さかな村のドン”として知られる女村長・田中さん。思いつきで始めた深夜営業ですが、人が集まる面白い場所を作り、地域を元気にしたいという想いが込められています。
週末限定の深夜食堂!名物“天串”と破格の魅力に迫る

売り物にならないトロ箱が実は宝箱だった
陽気な人柄の村長ですが、その本業は魚の目利きのプロ。この日も隣のセリ場で、天串に使うネタを吟味していきます。
狙いは「トロ箱」と呼ばれる、さまざまな魚が無造作に詰められた箱。中には、地元でしか出回らないダルマアナゴや、珍しいヤガラの姿も。

市場ならではの味覚を、美味しくリーズナブルにいただけると好評
サイズや漁獲量の関係で流通しにくい魚を買い取り、天串として提供しているのです。トロ箱の中身は毎回変わるため、どんな魚に出会えるかはその日次第。まさに一期一会の楽しみです。
訪れたくなる理由は他にも。モーニング利用もおすすめ

サクサクの衣と、滑らかなあんこの相性が◎
この店にわざわざ深夜訪れたくなる理由は、他にもあります。なんと、変わり種メニューも充実。中には“おまんじゅうの天ぷら”という意外な一品もあり、試しに揚げてみたところ美味しかったことから定番化したそうです。

深夜から朝まで、いろんなお客さんが訪れる深夜食堂999
深夜でもつい手が伸びてしまう天串に、店内はほろ酔いの地元客で賑やか。しかし朝6時頃になると雰囲気は一変し、夜勤明けの人々や、喫茶店代わりに訪れる人たちが、優雅な“天ぷらモーニング”を楽しみます。
深夜からモーニング、ランチまでフル稼働の一日

地元の海鮮をふんだんに味わえるランチで人気
ただこれで終わりではありません、続いて村長が向かったのは、自らが営む飲食店「ぽわそん」。地元の新鮮な魚介をふんだんに使ったランチが評判の人気店です。
そして、そのわずか6時間後には再び深夜食堂がオープン。地域を盛り上げるために走り続ける村長の一日は、今日もフル稼働です。