80年前のハーレーを乗りこなす！愛しの相棒、サイドカー付きバイクとの日々に密着

2021年01月21日

車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフおとなの秘密基地』。2016年～2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。今回の秘密基地の主は、サイドカー付きバイクを愛する、愛知県一宮市の飯田喜久雄さんを紹介。1934年に作られたハーレーダビッドソンVFDでのドライブは、他のライダーからの注目の的となっている。

飯田喜久雄さん

ある日の秘密基地、これから愛車のサイドカー付きハーレーダビッドソンVFDで出かけるという飯田さん。でもその前にやらなきゃいけないことがある。エンジンの中に入っているオイルが、規定量の200cc入っているかどうかわからないので、オイルを抜いてから入れるのだそう。80年前のハーレーは、オイルタンクが小さい上にオイルの減りが早いため、頻繁にオイル交換が必要なのだ。タンクに残っていたオイルを出し切り、改めて満タンにする作業だけで15分はかかるとか。「まぁめんどくさいけど、そこは面白みもあるところやね」と飯田さんは語る。大きな車体をゆっくりと動かし、いよいよエンジンをかける。空キックを何度かしてエンジンにガソリンを行き渡らせた後、スイッチを入れる。だが、なかなかエンジンがかからない。

プラグを抜くわ

「プラグを抜くわ」と飯田さん。さらに、「プラグがだいぶ真っ黒けになっているってことは、すすがたまっとるもんで、火花が散りづらい状態やね。ワイヤーブラシで先のすすをとろうと思う」

ガソリンタンク

プラグについていたすすを取り、これでOKかと思いきや、「ちょっとガソリンが来ていなかったもんで、今からガソリンをエンジンの中にここから直接入れる」と、飯田さんが手にしたのはガソリンタンクの蓋。実はスポイトのようになっていて、ガソリンを抜き取りエンジンに直接注ぐことができるという、何とも大胆な仕組み。約20分間キックを続け、ようやくかかったハーレーのエンジン。

曲がるときにはコツが必要

いよいよ出発し、車の運転と同じように手でシフトチェンジをしながら走る。どっしりとした存在感は、前の車と車幅はほぼ同じである。曲がるときにはコツが必要だ。右折の場合は、速度を出して曲がるとサイドカーが浮くので、しっかり減速してから曲がる。左折の場合は、車体を倒して曲がれないので、体重移動と大きくハンドルを切って曲がるのだ。

バイク仲間

飯田さんの元に、バイク仲間の今枝昭さんがバイクに乗ってやってきた。愛車は世界に128台しかないという、1954年式のBMW R68。このバイクも60年以上前のものだが、綺麗に手入れされている。2人は時々、飯田さんの秘密基地でバイク談議を交わしているとか。「やっとハーレーも調子が出てきたんで、だいぶいいわね」「この間まで調子悪かった。このハーレーもネットでリピート品を買って直しているわね、今」と、古いバイクだけにお互い気になる愛車の調子。ちなみに前田さんはサイドカーをつけないのか？と聞くと、「まぁいいんだけど、とにかく場所がいるでね。軽四1台、下手したら普通車1台、その場所を確保していかないと置く場所にも困るし大変だね」と言う。

1954年式のBMW R68

飯田さんのハーレーで出かける。実は、今枝さんはサイドカーに乗るのが今回が初めてだ。どんなツーリングになるのだろうか？「サイドカーに人が乗っとるもんで、曲がりやすい」「乗っとる分だけさ、楽しい」と2人は楽しそうだ。やっぱり隣に人が乗っていると様になる。大きな交差点に差し掛かった時、信号待ちのライダーたちが飯田さんのサイドカーに釘付け。「おもしろい。やっぱ乗せてもらわないと、この雰囲気っていうのはわからんね。オートバイと車と、全然違う雰囲気だね、第3の乗り心地いうか」と前田さんは笑顔で話す。

第3の乗り心地

飯田さんは、ある日秘密基地に何かを運んできた。「これは、今レストアしているオートバイのサイドカーの中のシート。今から仮付けをしてみようと思う」秘密基地の中にあったのは、もう1台のサイドカー付きビンテージハーレー。実は飯田さん、年式の違うマシンを2台持っている。このバイクのエンジンを外してレストアの真っ最中、サイドカーのシートも新しく張り替えたのだ。「ちょっと座ってみよう。だいたいイメージ通りの仕上がり、座り心地いいね」と飯田さん。