碧南市で出会った、我が道を行くちょっとおかしな職人列伝 後編
はるな愛と村上佳菜子が東海地方の話題のスポットに出かけ、“気になる”を調査しながら街歩きする番組『デラメチャ気になる！』。2月21日の放送では愛知県碧南市を取材しました。名古屋から約40㎞圏内に位置する碧南市は、金属加工や醸造、農業が盛ん。そこでモノづくりに情熱を傾ける人たちに密着しました。
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常識外れのにんじん娘
碧南市の海に近い砂地の畑でとれる名産が、にんじん。中でも『へきなん美人』と呼ばれるブランドは全国区です。そんなにんじん名産地で、にんじん農家4代目として家業を継いだ農業女子、永井千春さんに出会いました。彼女のにんじん愛は有名で、ついた異名は「にんじんちゃん」。一体どんな育て方をしているのでしょうか。
コツを聞くと「にんじんとおしゃべりするようにしています」と答える永井さん。「種を蒔いたときは芽が出るところが一番の難関なので、がんばれ！って。変な人～」と自虐を含みながらにんじんへの愛情を語ってくれます。永井さんの畑は栽培期間中はにんじんだけで約20品種も育てていて、これは碧南市の中でも珍しいようです。
ここで永井さんのにんじんコレクションをご紹介。まずは『ひとみ』と『あけみ』ですが、これらは彼女がつけた名前ではなくれっきとした品種名。名前も見た目も似ていますが、前者は色と味が濃く、後者は味があっさりしているという特徴があります。
ほかにも西洋にんじんと東洋にんじんのハイブリッド『京くれない』、鮮やかな黄金色の『金美』、柿のような食感と風味の『柿にんじん』など個性的な品種がたくさん。県外からも珍しい品種を指名買いするファンが多くいるそうです。
永井さんは家業に活かすため、難関である「野菜ソムリエ上級プロ」の資格を習得。彼女オリジナルの販売方法として、おすすめの食べ方を音に例えてネーミングしています。たとえば、甘みが強く食感の良いにんじんはサラダなど生で食べてもらいたいから『もぐもぐさん』、小さく育ってしまったにんじんは煮物におすすめなので『ことことさん』。
可愛いネーミングでおすすめの食べ方を提案すると、今まで出荷が見送られていた不ぞろいのにんじんを食卓に届けられるメリットが生まれました。「工業製品ではないので、どうしてもいろいろなサイズや形が生まれる。この"いろいろ"を排除するのではなく楽しんでもらいたい」と食べ比べセットも販売しています。
そんな永井さんの思いが詰まったにんじんセットを2人が実食。「フルーツみたい」「しゃきしゃきして新鮮。本来の甘みが噛めば噛むほど湧き出てくる」と愛情をかけて育てられた『もぐもぐさん』をおいしくいただきました。
焼き芋界のパイオニア
寒い冬に食べたい、あっつあつの焼き芋。最近は全国各地に専門店がオープンし、実は第4次焼き芋ブームと言われています。そんな中、ありえない発想で行列を生む焼き芋職人が碧南市にいるんだとか。
向かった先は「焼き芋ワールド」の看板がかかげられ、まるでテーマパークみたいな入口の焼き芋専門店『やきいも 丸じゅん』です。1年中焼き芋を売る日本初の専門店として、石川順一さんが11年前にオープンしました。メニューには約60銘柄のさつまいもの名前がずらり！季節や熟成具合を見極め、常時約20種類を販売しています。
石川さんいわく、さつまいもはほくほく系とねっとり系の2種類に分かれるそう。ほくほく系は芋っぽさがあって食べ進めるうちに甘みが濃くなり、ねっとり系は食べた瞬間すぐに甘みを感じられるという特徴があります。割ったときの断面も大違い！
「いろんな芋があるって知ってほしい」という芋のプロ、石川さんがお客さんを驚かせるために始めたのが新しい焼き芋の形を提案するカフェ。『焼き芋アイス』『焼き芋キッシュ』『丸ごと安納芋スープ』『焼き芋ハンバーグ』など味が想像できないメニューを次々に考案。
そして焼き芋の概念を覆すメニューが大ヒット。一度焼いた芋をわざわざ冷やす『冷やし焼き芋』です。冷やして水分を飛ばすことで甘みが凝縮するんだとか。これにより夏も行列が絶えない人気店となりました。
続くヒット商品を開発しようと、焼いた芋を2つに割って再度焼く『焼き芋ステーキ』を試作。「皮がうめぇ」と自信満々の石川さん、番組放送日から販売をスタートしました。芋の可能性を最大限に引き出すことに余念のない石川さんの焼き芋、ぜひご賞味あれ。
『デラメチャ気になる！』
はるな愛と村上佳菜子が東海地方の話題のスポットに出かけ、“気になる”を調査しながらぶらり街歩きする番組。Locipoでは過去の放送も配信しています。
【放送局】テレビ愛知 毎週日曜日 午後2時30分放送
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/deramecha/
【配信】Locipo YouTube
※記事の内容は放送当時のものです。
