
高橋宏斗投手が待望の初勝利 矢野燿大さんが感じた投球術の変化 中田翔選手とボスラー選手に初アーチ

ドラゴンズは20日までに3連勝し、勝率が5割に復帰しました。ドラゴンズOBで元阪神監督の矢野燿大さんは、待望の初勝利を挙げた高橋宏斗投手の投球に変化を感じたといいます。

矢野さん:
「20日の夜、井上監督はやっとぐっすり寝られたんじゃないですかね。僕も監督の時は全然寝られなかった。こういう試合の後は寝られると思うんです。井上監督の笑顔がたくさん見られて僕もうれしかった。でもここからがスタート。勝率が5割にいってよかったなという気持ちと、よしここからいくぞという気持ちを、井上監督はつくっていくんじゃないかな」
Q:19日と20日の試合では、なかなか出なかったホームランも出た。19日は中田選手のソロホームランが大きかった。
「中田選手が打ったのはカットボール。150kmぐらいのストレートからちょっとスピードが落ちる感じで体に食い込むボールで、ほとんどのバッターが詰まるんです」
「途中までストレートにしか見えないのが体に食い込むので、詰まるのが当たり前なんですが、中田選手はこれを芯でとらえてはいないと思います。若干詰まっているんですけど、バットを内側から押し込める技術とパワーの両方があるからホームランにできた。中田選手の技術で打ったホームランだと思います」
Q:中田選手は昨シーズン腰の痛みに苦しんでいましたが、それはなさそうですか?
「なさそうですね。やはり体重を下げたり、いろいろトレーニングしたりした効果が出ていると思います」
中田翔選手と新外国人ボスラー選手にホームラン

Q:20日はボスラー選手が来日初ホームランを放ちました。このホームランもまたすばらしかった。
「ボスラー選手の強みは『ここに来たら俺は長打打てる』というホットゾーンを持っていること。インコース寄りの低めはホームランになりやすいので、ここは相手も警戒してくると思います」
「これから相手はもっと低いボールや高いボールを投げてくると思うんですけど、それを見極めていくとフォアボールも増えてくる。相手に『ここは危ないな』という意識を持たせるホームランになっているので、今後それがプラスに出てくれればいいかなと思います」
高橋宏斗投手の投球に変化が

Q:19日は高橋宏斗投手が先発4試合目で初白星を挙げました。中でも注目なのが、ゴロアウトが12個、フライアウトが8個ということで、三振は少ないけれどもゴロアウトやフライアウトが多かった内容です。
「今まで高橋選手は三振を取りたい、スプリットを大きく落としたいというような意識だったかもしれないけど、この試合ではツーシーム気味の少し浅く握ってゴロでもいいんじゃないかという意識に変わったのかなと思って見ていました」
「5回表も狙ってダブルプレーを取ったのかなって思っていました。このあとの表情とかを見ていると。大きく落とすことに意識がいくとバッターからすると早く変化してしまい、見極めやすいボールになるが、(ツーシームは)真っすぐと軌道が重なっている時間が長いのでバッターはストレートだと思ったら若干沈み、ゴロアウトになる。投球術でアウトを取れていましたね。球数も少なかった」
高橋宏斗投手のさらなるレベルアップには

Q:更なるレベルアップを図るには、どんなところが大事でしょう。
「右バッターのインサイドを攻めるということ。この時もちょっと意識が見えたのですが、インサイドをどう攻めるかでバッター心理を動かすことができる。インサイドに球が来ると怖いなとか恐怖というのもあるが、『クソ!なめんなよ』みたいな気持ちにもなるので、力みとかに変わる」
「アウトコースだけの時はなかなかそういう変化が起こらないが、高橋投手はちょっとインサイドに投げていこうかなという意識も見えました」
Q:矢野さんは以前、今シーズンの高橋投手を見て『ちょっと肩の開きが早いんじゃないか』『ストレートがシュート回転しているんじゃないか』と言ってましたが、19日はどうでしたか。
「僕はまだもっとストレートがよくなると思っています。まだちょっと(肩の開きが)早いかなとは思う。これが上下のボールで打者を抑えられるようになってきたら高橋選手は本物だなと」
「うまくいってない中でも、ツーシームなどを投げながらゴロで打たせる幅を広げるような投球が今回できていたので、ちょっと自信になったかもしれないですね。こんなものじゃない、もっともっとレベルが高い大エースになる素材ですから、楽しみに見ていきたいと思います」
ドラゴンズは22日から東京ドームで巨人と2連戦です。
(2025年4月21日放送 メ~テレ『ドデスカ!』より)
※高橋宏斗投手の「高」は、正しくは「はしごだか」です