
打率5割の超強肩!“打って守れる”12歳の怪物捕手、ヒットを量産するヒミツの特訓とは?【野球日本代表U-12 ・杉浦 颯真選手】

小学生年代の侍ジャパンに選ばれた、三重県四日市市在住の杉浦颯真選手、12歳。打率5 割超えのバッティングを磨いた、父考案の特訓とは?
守備は超強肩!武器は打率5割の“バッティング”

おととし、大谷翔平選手らスター選手が集結し、世界一をつかみ取った侍ジャパン。その大谷選手と同じユニホームを着て、去年、世界と戦った12歳がいました。
小学生年代の侍ジャパンに選ばれた、三重県四日市市の杉浦颯真選手。この春、中学1年生になったばかりの12歳です。

身長は168センチ。チームメイトと比べても、頭ひとつとびぬけています。
颯真選手は、全日本軟式野球連盟に所属する約19万人の野球少年の中から、たった15人しか選ばれない12歳以下日本代表に選出。キャッチャーとして、去年11月にBFA U12アジア野球選手権に出場しました。

武器は、バズーカ砲のような送球!しかし、侍ジャパンに選ばれた最大の理由は別にありました。
チームメイトに聞き込みをしてみると、チームメイトたちは颯真選手の“バッティング”を絶賛。さらに、「打率5割6分8厘くらい」というモンスター級の情報も。

実は、颯真選手の最強の武器は“バッティング”。取材時も推定飛距離90メートルのホームランを披露し、周囲を驚かせました。
日本代表の挫折、悔しさをバネにフォーム改善

守備もバッティングもトップレベルを誇り、誰もが認める実力を持つ颯真選手。
しかし、日の丸を背負って戦った国際大会では、普段、5割超えのバッティングも10打数3安打。緊張から思うような結果が残せなかったといいます。

自宅の部屋に飾られていたのは、出場時に着用していたユニホーム。

その理由について「チャイニーズ・タイペイ戦で、僕が打てなくて負けちゃった。ユニホームを見て思い出します。悔しさをバネにしている」と明かしました。
颯真選手は大会直後から、チームメイトのアドバイスを参考に、バッティングフォームの改善を開始。プロ選手のフォームを研究するなど、さらなる打撃向上を目指し、今も進化を続けています。

そんな颯真選手が野球を始めたのは6歳の頃。学生時代にキャッチャーをやっていた父・伸俊さんの影響でした。「(キャッチャーは)チームの要なので、“キャッチャーやってみたら?”と言いました」と、伸俊さんは当時を振り返ります。
颯真選手は、姉と妹4人の女の子に囲まれて育った5人兄弟の長男。お父さんにとっては、たった一人の息子。毎日、家ではつきっきりで練習に励んでいます。

そんな“野球男子たち”を一番近くで見てきた、長女・柚菜さん。二人の様子について、「お父さんは仕事から帰ってきたら、まずは野球している。(颯真選手は)家の中でもずっとバットを振っている」と話します。
そんな颯真選手には、ヒットを量産するきっかけとなったものが!それは、自宅の駐車場でお父さんと行う“ヒミツの特訓”でした。
毎日1時間も猛特訓!父考案の“シャトル打ち”

自宅の駐車場で颯真選手が打っていたのは、バドミントンのシャトル。毎日1時間、父・伸俊さんが投げるシャトルをバットで打ち込んでいます。

特訓の目的は、ミート力の向上。「ちゃんとミートできるように。普通のボールだと当てられるので、シャトルはきちんと当てないと飛ばない。ミート力を上げるために始めた」と伸俊さんは話します。

シャトルの先端の直径は約2.5センチ。野球ボールの3分の1しかありません。
バットに当てるだけでも難しい上に、先端に当てなければ、シャトルは飛んでいきません。

小学4年生から3年間、颯真選手はこのシャトル打ちを毎日特訓。その結果、今ではバットの芯で捉えられるように成長しました。
特訓の成果について颯真選手は、「シャトルは当てにくいので、ミートができるようになった。どうやって打ったら飛ぶのか、考えながらやってできるようになった」と答えます。

将来の夢は、もちろんプロ野球選手。颯真選手の今後の成長と活躍に注目です。