名古屋証券取引所とテレビ愛知が運営するYouTubeチャンネルで配信中の経済教養番組『あしたのマネー』。 テレビ愛知アナウンサーの岡田愛マリーと、SKE48チームKIIリーダーの松本慈子さんが、日経マネー編集委員の大口克人氏を迎え、資産形成や投資のノウハウを学ぶ本番組。 第6回となる今回は、過熱する「不動産業界」の最新事情と、個人投資家でも手が届く不動産投資の手法「REIT(リート)」、さらには失敗しない投資対象の選び方について、大口氏が徹底解説しました。
東京23区マンション「平均1億円超え」の異常事態

番組冒頭、大口氏が「今、最も注目すべき業界」として挙げたのは不動産業界でした。 その象徴的なデータとして紹介されたのが、東京23区の新築・中古マンションの平均価格が、なんと5ヶ月連続で1億円を超えたといいます。
さらに大口氏は衝撃的な事例を紹介。「20代のカップルが港区の築30年弱、広さ約40平米(1人暮らしサイズ)の中古マンションを6000万円で購入した」というのです。
資材価格や人件費の高騰、金利上昇の影響でマンションの供給数が減る一方、地価や物件価格は上昇の一途をたどっています。大口氏は「まさに1980年代のバブル期に見た光景。当時はサラリーマンが年収の5倍で家を買えるようにしようという議論があったほど、庶民には手が届かない存在になっていた」と振り返りました。
しかし、大口氏はこの状況を「崩壊寸前のバブル」とは見ていません。 「海外からの買い需要も含め、実需があるため価格が下がる要素が見当たらない。しばらくはこの高値水準、あるいはさらなる上昇が続くのではないか」と分析しました。
利回り4%超も! 数万円から始められる「REIT」の魅力

活況な不動産市場ですが、個人が数千万円〜数億円の現物不動産を購入するのは、資金面でも管理面でもハードルが高すぎます。そこで大口氏が「非常に合理的な発明品」として推奨するのが「REIT(リート:不動産投資信託)」です。
REITは、投資家から集めた資金でオフィスビルやマンション、ホテルなどの不動産を購入・運用し、そこから得られる賃料収入などを分配金として還元する仕組みです。大口氏はそのメリットを次のように解説しました。
1.少額から投資可能:現物不動産とは異なり、5〜6万円程度から購入できる銘柄も多い。
2.高い流動性:証券取引所で株と同じように売買できるため、「今日買って夕方売る」といったことも可能。現物不動産のように「売りたいのに売れない」というリスクが低い。
3.プロによる管理:物件の選定や維持管理は専門家が行うため、手間がかからない。
4.高い分配金利回り:全REITの平均分配金利回りは4.45%(収録時点)。中には5%を超える銘柄も20本以上あり、超低金利の預金と比べると非常に魅力的。
「REITはコロナ禍以降、オフィスの空室懸念などで価格が低迷していましたが、実体経済としての家賃収入は安定しています。割安感があり、今が仕込み時かもしれません」(大口氏)。 さらに、REITはNISAの「成長投資枠」でも購入可能であり、非課税メリットを享受しながら不動産市場の成長を取り込むことができる点も強調されました。
「テーマ株投信」には要注意! 賢い投資対象の選び方

番組後半では、投資信託選びの注意点についても言及されました。特に初心者が飛びつきがちな「テーマ株投信」には落とし穴があるといいます。
「例えば『AI』や『女性活躍』など、その時々の流行りをテーマにした投資信託が組成されますが、これらは世間で話題になりきった後に作られることが多い。つまり、組み入れられている株価はすでに高値圏にあり、買った直後に下落する『高値掴み』のリスクが高いのです」(大口氏)。
ブームが去れば資金が流出し、最悪の場合は早期償還(運用終了)となってしまうケースもあるため、流行に安易に乗るのではなく、長期的な視点を持つことが重要だと説きました。
「推し活」感覚でOK! 好きを投資につなげよう

では、初心者は何を基準に投資対象を選べばよいのでしょうか。 大口氏は、「自分の好きなもの、応援したい企業に投資するのも立派な投資家としてのあり方」と語ります。
「ゲームが好きならゲーム会社、映画が好きなら映画会社の株を買う。これは『推し活』のようなものであり、自分がよく知っている分野なら企業の成長性も判断しやすい。著名投資家のウォーレン・バフェット氏も『自分が理解できないものには投資するな』と言っています。身近なところから探すのが一番成功への近道です」。
これには松本慈子さんも、「私の同世代でも『株が好き』という友人が増えています。私もNISAを始めたとき、『自分の興味がある分野から選ぶといいよ』とアドバイスされましたが、そのタイミングで始めたのは間違っていなかったんだと安心しました」と実感を込めました。
人生とお金は「案外うまく回る」

最後に大口氏は、投資を躊躇している若者に向けて「滑り台のついたプール」という独特な例え話を披露しました。
「幼稚園児に『将来お金持ちになったら何が欲しい?』と聞くと『滑り台のついたプール』と答えたりする。それは子供の想像力がそこまでしかないからです。若い人も『今』の視点だけで将来を悲観しがちですが、一度高いところから俯瞰して見てほしい。人生は長く、お金を使う場面も多いけれど、貯まる場面も多い。案外お金はうまく回るものです」。
「勉強は一生続くものだから、勉強してから始めるのではなく、まずは少額で始めて走りながら学ぶのが一番」という大口氏のアドバイスに、スタジオの二人も深く頷いていました。
不動産投資に興味があるけれど資金がないという人は、まずはREITや少額の投資信託から、経済の波に乗る一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


