農家も「特売にならないと買うか悩むと思う…」トマトの価格は平年の3割増しに 猛暑で品薄状態が続く 愛知・田原市

長引く物価高。身近な食材「トマト」も、価格高騰が続いています。
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その理由や今後の価格の行方について、愛知県田原市の栽培農家・鈴木教広さんに14日伺いました。
生産者としての率直な思いは?
(トマト農家 鈴木教広さん)
「めっちゃ高い。特売にならないと買うか悩むと思う」
農林水産省が調査している、全国の小売店におけるトマトの価格は、1キロあたり1221円。平年比134%と、3割以上も高くなっています。(9月29日週のデータ)
その理由を伺いました。
(鈴木さん)
「ここは秋から(収穫が)スタートで出始めだが、去年より2週間くらい遅い。ここ10年くらいで収穫が始まるのが一番遅い。10月に入っても全然色がつかなくて焦った」
ことしは、夏場の猛暑の影響でトマトの茎が細くなり、生育に遅れが出ました。
このため、通常9月25日ごろから収穫が始まるという鈴木さんのハウスでは、ことしは10月12日にようやくスタート。
出荷は、2週間ほど遅れています。
(鈴木さん)
「ことしも夏がすごく暑かったので、気温が高ければ高いほど色づきも早くなっていく。それにより、前倒しで収穫していって品薄になっている。なので、(市場に)出回っている物量がめっちゃ少ないと思う。そうなったときに、量の取り合いになれば、必然的に値段は上がる」
もう少しの辛抱?11月に入れば単価は安定か
今は北海道や長野県、岐阜県などで作られていた夏のトマトから、愛知県や静岡県、熊本県などでの秋冬のトマトに産地が切り替わる時期です。
トマトが高いのは夏のトマトの出荷が早く終わり、秋冬のトマトの出荷量がまだ少ないことが要因です。
鈴木さんは、もう少しの辛抱だと見ています。
(鈴木さん)
「この産地も出荷量がちょっとずつ増えているので、台風が来ない前提なら11月に入ればある程度安定はしてくると思う。週に何回か食卓にトマトが出せるぐらいの単価に落ち着くのがいい。そんなに高値はずっと続かないと思う」