シマウマ模様が牛を救う 愛知県の研究チームにイグ・ノーベル賞 きっかけは子どもと訪れた東山動植物園

今月の日本はノーベル賞に沸きましたが、東海地方からは、ユニークな研究に送られる「イグ・ノーベル賞」の受賞者が出ました。その研究内容は?
9月、アメリカのボストン大学で発表された「イグ・ノーベル賞」。
ノーベル賞のパロディーとして知られ、人々を笑わせ、同時に考えさせるユニークな研究に与えられます。
今年のイグ・ノーベル生物学賞を受賞したのは、愛知県農業総合試験場で研究していた兒嶋朋貴さんらのグループです。
シマウマではなく牛

「大村知事がゼブラ柄のスーツで現れました。今から愛知県特別表彰の授与式に臨むということですが、なかなかインパクトある姿です」(メ~テレ 石神愛子アナウンサー)
実はこれが、今回のイグ・ノーベル賞に関連しているんです。
写真のしま模様の動物は…シマウマではなく牛。
兒嶋さんらが解明したのは、「シマウマ柄の牛は、虫が近寄りにくい」ということ。
牛にしま模様を塗ると、アブなどの吸血昆虫が近づかなくなるそう。
牛をしま模様に塗って放牧すると、ストレスなく草を食べられるようになり、エサ代の軽減などが期待できるといいます。
東山動植物園で観察

今回のイグ・ノーベル賞受賞が社会的に大きな反響を呼んだとして、愛知県は14日、兒嶋さんらに「愛知県特別表彰」を授与しました。
「共同研究開発者の皆さんにはこれからも研究開発に邁進し、本県はじめ日本の農業をとりまく様々な課題の解決に尽力してもらうとともに、ますますの活躍を願っている」(愛知県 大村秀章知事)
現在は農研機構に所属する兒嶋さん。名古屋の東山動植物園にいるシマウマを観察することが今回の研究結果につながったといいます。
しかし、一緒に動植物園を訪れた子どもからは、こんな不満も。
「(子どもが)次を見に行きたいと言っても『ちょっと待って』と言いながら見ていた」(兒嶋さん)
Q.東山動植物園に一緒に行った時も研究だったと伝えた?
「今度伝えてみます(笑)」(兒嶋さん)
山形県の黒毛和牛でも「しま模様」にしたところ、アブが寄り付きづらくなったり、病気の感染予防にもつながったりしたというデータもあるということです。
愛知県特別表彰はこんな人も

「愛知県特別表彰」は、県民に明るい希望を与えたり、県の名声を高めたりするなど、大きな社会的反響を呼んだ個人や団体に贈られています。
過去には、フィギュアスケートの伊藤みどりさんや野球のイチローさん、きんさん・ぎんさん、さらに2018年には将棋の藤井聡太さんが表彰されました。