
登山客に人気の“奇岩”が…高さ10m超の『おばれ岩』に崩落の危険 折り重なるように傾き立入禁止 大雨が影響か


三重県菰野町の御在所岳で、登山道にある高さ10メートルの大きな岩「おばれ岩」が大きく傾き、崩落の危険が出ています。
■大きく倒れるように傾く…人気スポットに「崩落の危険」
三重県菰野町の御在所岳の登山道にある「おばれ岩」。登山客もすっぽりとおさまる2つの大きな岩で、母親が赤ちゃんをおんぶしているように見えることから、名付けられたといいます。

高さが10メートル以上で、岩と岩の間のなかに入ることができるため、登山者の間では人気となっていました。 この岩が今、大きく倒れるように傾き、崩落の危険が出ています。

現場は、御在所ロープウエイで山頂へ向かう途中の中腹部分です。今では、立ち入り禁止のテープが張られたほかに、折り重なるように傾いていて、岩の下には隙間や割れたような痕もあります。 地元の人: 「びっくりしましたね。まさか崩れることを予期しませんでしたから。『えっ!おばれ岩が!?』という感じですね」
■原因は大雨か…岩近くを通る登山道は通行止めに
いったいなぜ、傾いてしまったのでしょうか。 菰野町観光産業課の担当者: 「はっきりとした原因は分からないんですけれども、5月24日から25日にかけて菰野町でも大雨がありましたので、おそらくそれが原因かなと考えております」

三重県では5月24日から25日、降り始めから雨量が尾鷲市で204ミリを観測しました。 また、おばれ岩の近くでも76ミリの雨が降っていて、この雨で地盤が緩んだことが原因とみられています。 岩の真横を通る登山道は、崩落の危険があるとして通行止めとなりました。

菰野町は「おばれ岩の下をくぐるのは危険」としたうえで、別のルートに変更するなど注意を呼び掛けています。
■「おばれ岩」だけじゃない…「奇岩」が多い理由は
御在所岳には、「奇岩」と言われる岩がたくさんあります。

花崗岩の岩が多くある御在所岳ですが、100万年から200万年前に隆起してできたと言われていて、長い年月をかけて花崗岩が風化して「奇岩」の数々ができたということです。 菰野町の観光産業課では、「下をくぐるのは危険。他にも見所あるルートあるので、そっちを選んでください」と話しています。