ゴールデンウイークに楽しめるレジャーの一つ、潮干狩り。しかし近年、中止になるケースが増えています。一体何が起きているのか、調査しました。
2026年愛知県内の潮干狩り開催状況と相次ぐ中止

ゴールデンウィークが始まります。ゴールデンウィークに楽しめるレジャーの一つに「潮干狩り」がありますが、近年、異変が起きています。
愛知県内の2026年の潮干狩りの開催状況についてですが、西河野海岸(常滑市):6月1日まで、西幡豆・鳥羽海岸(西尾市):6月16日まで、竹島海岸(蒲郡市):6月4日まで、東幡豆海岸・前島(西尾市):8月2日まで、小中山地区海岸(田原市):5月20日まで。愛知県は国内有数のアサリの産地ということで、各地で潮干狩りが開催されていますが、近年、中止を判断する場所もあります。

具体的に見ていきますと、美浜町の河和口。こちらは2024年から中止になっています。さらに南知多町の山田海岸では、2026年初めて中止になっているんですね。なぜこのように中止が相次いでいるのか。潮干狩り中止が相次ぐ背景には何があるのか、その理由を探ります。
12年で漁獲量が16分の1に。過去最低を更新するアサリの現状

まず、中止になった西尾市の吉田海岸についての説明です。2013年のピーク時には期間中およそ3万人が来場をしています。
中止の判断をした衣崎漁業協同組合の担当者に取材をしたところ、中止の理由は「アサリが獲れなくなり、来場者に楽しんでもらうための十分な量が確保できなかったため」と話していました。

県内のアサリの漁獲量は減少傾向にあります。農林水産省の統計によりますと、アサリの減少が始まったのは2014年頃からです。2012年、1万7000トン以上あったんですが、だんだんと減少し、2024年、過去最低の1057トンになっています。2012年と比較すると、およそ16分の1まで減少しているんです。ちなみに愛知県の漁獲量は、2023年までの20年間は全国1位だったんですが、2024年には北海道についで全国2位になりました。
なぜアサリが減ったのか?要因は「海がきれいになりすぎたこと」

減少の理由についても取材をしました。愛知県水産試験場の主任研究員をしている山本有司さんによると、減少の要因の一つは「海の水質改善」にあります。
まず、これまで国や愛知県は、海の水質を改善するために下水処理施設や工場に対して、海に流す排水の中の窒素やリンの量を規制してきました。ただアサリの餌になる植物プランクトンは、この窒素やリンを栄養にして成長します。つまり排水規制によって、植物プランクトンが減ってしまい、これによってそれを餌にするアサリまで減ってしまったのではないか、ということです。
窒素・リンの放出制限を緩和へ。県の新たな取り組み

アサリを救うためにどうしたらいいのか、県が対応を進めています。こうした状況を懸念する漁業関係者らの声を受け、県は2026年3月に三河湾の水質環境基準を緩和することを決めました。
具体的に見ていくと、窒素やリンの量をこれまでの2倍ほどに緩和するとしています。さらにこの緩和を受けて、県の水産試験場でも、豊川浄化センター、そして矢作川浄化センターで窒素とリンの放流量を調整するとしています。ただ緩和をすることで再び海が汚濁してしまうのではないかという心配の声もあるため、水質への影響は十分に注視していくと話していました。
私たちにできること。稚貝を逃がすマナーの徹底を

また、アサリの資源保護のために私たちもできることがあります。それは潮干狩りのマナーの徹底です。まずアサリを保護するために、採取をする量を皆さん気をつけてください。これは潮干狩り場によって異なるのですが、大体2キロから4キロと決められています。これは現地で確認をするようにしてください。
さらに大きさにも決まりがあります。これは県が定めています。貝殻の長辺が2.5センチ以下のものは採らないようにお願いします。こうしたアサリはまだ稚貝の状態で、貝の赤ちゃんに当たるんです。そのため、こうしたものはもし採ったとしても、2.5センチ以下のアサリは放流をするようにしてください。
これから潮干狩りをする予定のある方は、アサリの生育状況によって開催日時が変更になる可能性もあります。最新の情報を潮干狩り場のホームページ、そして電話などで確認してから出かけるようにしましょう。


