愛車を売却するも代金支払われず…音信不通の買い取り業者から｢破産する｣と通知　警察が詐欺容疑で捜査　愛知

車を買い取り業者に売ったはずなのに代金が支払われない。そんな相談が全国で相次いでいます。名古屋に拠点がある、その業者は「破産する」という文書を一方的に送りつけ音信不通になっています。

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（被害者 野村さん）
「本当に怒りしかなかった。もう本当に腹立たしい。だまされた」

愛知県安城市に住む野村さん夫婦が「だまし取られた」と訴えるのはクルマです。今月、愛車のトヨタ「ハイラックス」を買い取り業者に売却したのに、代金の303万円が支払われていないといいます。

（被害者 野村さん）
「査定サイトも大手なので、なんの疑いもなく。一番高く買ってくれる所に売却しようと」

野村さんは先月、大手の一括査定サイトを利用して買い取り査定を依頼。見積り金額が最も高かったのが、東京に本社があり名古屋にも拠点がある問題の業者でした。野村さんはこの業者と契約を交わし、今月6日に車を引き渡しました。ところが…

（被害者 野村さん）
「（入金予定の）16日の昼ごろに家内が入金履歴を確認したら、まだ入金がなかった」

確認のため、この日、業者に電話すると…

支払日を遅らせてほしいと話す業者

（担当者）
「どうしても期日の調整をしないと、お支払いができないみたいでして」
（野村さんの妻）
「いや、それは困ります」
（担当者）
「そうですね。大変申し訳ございません」
（野村さんの妻）
「お金がないっていうことですかね？」
（担当者）
「お金がないっていうことではないと思う。振込日がGW明けに一点に集中したせいで、支払期日の調整が必要になってしまっている」

支払いの日を後ろにずらしてほしいと繰り返す担当者。

（野村さんの妻）
「来週中には（お金は）入るんですか？来週中でも金曜日とかだと困りますよ。月曜日ですよ」
（担当者）
「来週、その旨調整して、うちの代表からご連絡をさせていただくという流れなので。借り入れも含めて、いろいろ動いていると思いますので。すみません」
（野村さんの妻）
「これは大丈夫ですかね。絶対入りますか？お金」
（担当者）
「私が絶対と、お約束はできない」
（野村さんの妻）
「まだ車はある状態ですか？」
（担当者）
「私の方では確認できていない」

業者は音信不通 自宅に届いた書面には…

代金を支払うことも車を返すことも「約束できない」という驚きの回答が。この電話の後、業者とは連絡がとれなくなったといいます。そして、野村さんの自宅に一通の書面が届きます。業者の代理人だという法律事務所からでした。

（届いた書面の内容）
「債務者は合計約80名の債権者様に対し、約4億2160万円の多額の負債を抱え、破産申し立てを行う予定でございます」

4億円あまりの負債を抱え破産するつもりだという一方的な通知。不払いになっているのは約80人にのぼるといいます。

（被害者 野村さん）
「本当に怒りしかなかった。こんな手続きをしていること自体、腹立たしい」

代金の支払いに見通しが立たない中、野村さんは愛車を取り戻したいと考えていますが…

（被害者 野村さん）
「（代理の）法律事務所に『車の状況はどうなっていますか？』と聞いたら『5月9日にオークションで売れています』」

すでに第三者の手に渡ったと伝えられました。野村さんは最初から車をだまし取るつもりの「計画倒産」ではないかと疑っていて、きのう愛知県警に被害届を提出。愛知県警は詐欺の疑いで捜査しています。