
名古屋のど真ん中にミツバチ2万匹? 気象予報士が挑む「都市養蜂」 甘いハチミツを採るコツは『CBeeCハニープロジェクト』

名古屋の街中でミツバチを育てる「CBeeCハニープロジェクト」!夏に美味しいハチミツを採る計画なんですが、今年から養蜂家になった桜沢信司気象予報士はこの1か月、試練に直面していました。
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●4月:名古屋・栄
名古屋のど真ん中、三越の屋上で育てていたミツバチを桜沢気象予報士が飼い始めたのは4月のこと。
(桜沢信司気象予報士)
「3秒前!2、1!オープン!出てきました。巣の中からたくさんのハチが出てきました!じわじわと飛んでいきます」
育てるのは、セイヨウミツバチ1万匹。最近、よく耳にする「都市養蜂」です。
(桜沢気象予報士)「いただきます。美味しい!甘いけど…香り豊か これは花です!」
ところが!
(名古屋学院大学 水野晶夫 教授)
「結構大きいやつだ。これ危ないな。これ取らないといけない」
「この時期一番の課題」に直面!ハチミツづくりの行方は?
環境に慣れ落ち着いたハチ 気をつけることも…
●5月8日
「CBeeCハニープロジェクト」が始まって約2週間。
(桜沢気象予報士)「いざ、飼育出陣です」
巣箱が置かれているのは、熱田区の名古屋学院大学です。1万匹のミツバチたちの様子は…
(桜沢気象予報士)「あぁ、大人しい」
新しい環境にも慣れ、だいぶ落ち着いてきたようです。
(桜沢気象予報士)「このハチみて」
(水野晶夫教授)「これ花粉つけてますよね。たんぱく源になりますので」
ミツバチは半径2キロ圏内で活動すると言われています。ミツを集める一方、家族が爆発的に増えるこの時期には、「最も気を付けないといけないこと」が…。
●5月:名古屋・昭和区
(桜沢気象予報士)「います!」
ミツバチの在来種=ニホンミツバチの巣が見つかったのはなんと、お墓の中。
(桜沢気象予報士)「すごい…巣の表面を、ハチが覆いつくしています」
「都市養蜂」で大切な“人による丁寧な管理”
この時期、家族を増やしたいミツバチたち。しかし、次の女王バチが育ってしまうと「分蜂」といって、巣の中にいる群れが、2つに分かれることに…。
(中部 日本みつばちの会 望月建彦さん)
「(墓の中は)涼しいですよね、石で囲われていて。住みやすいから入るんだろうと(思う)」
新たな巣を探すミツバチたちは、建物の軒下などに入り込み、人に被害を与える恐れも…。野菜や果物などの受粉という、大切な役割も担うミツバチですが、都市養蜂では「無限に増やしていい」という訳ではないのです。
(水野晶夫教授)「勝手に分蜂が起こると地域の方に迷惑をかけるので、それをしっかり管理するということが(都市養蜂では)大事な仕事」
巣箱の中では1万匹を率いる、女王蜂。「都市養蜂」でハチと人がともに生活できる環境にするには、人による丁寧な管理が欠かせません。
「王台」と呼ばれる部屋を取り除く作業
(水野晶夫教授)「結構大きいやつだ、危ないな。取らないといけないですね」
(桜沢気象予報士)「なんか生えてきている感じですね」
落花生のようなものは、王台と呼ばれる部屋でこの中で女王バチが育つ前に取り除きます。
(桜沢気象予報士)「…やわらかい。これは、将来の女王バチを、いま働きバチたちが育てているんですね」
巣箱の中に「王台」は、数か所見つかりました。
(水野晶夫教授)「(Q:中に白いものが?)ローヤルゼリーです」
栄養価が高く、健康食品としても知られるローヤルゼリーは、実は、女王蜂が食べる特別なエサだったんです。
(桜沢気象予報士)「ニュルっとして、少し酸味がある。…生臭い、美味しいものではないですね」
その後も、群れが別れることがないよう、1週間に2回のペースで王台を取り除く作業を続けてきました。
2万匹?家族が2倍になったミツバチたち
●3週間後
(桜沢気象予報士)「すごく増えましたね。推定でどれくらいいますか?」
(水野晶夫教授)「2万匹近いと思います」
(桜沢気象予報士)「じゃあ倍ぐらいになってる。家族2倍ですか」
ミツバチの数はなんと2倍に!
そして…新たに設置した巣枠は、4キロほどの重さになっていました。
ハチミツは糖度が高まると、白いフタのようなもので覆われます。「貯蔵態勢」に入ったミツの味は…
(桜沢気象予報士)「濃いです。今回はお花の香りはするんだけど、濃厚でトロっとしている感じ。どんどん美味しくなっている」
さらに、本格的な暑さの訪れに伴い、ハチの動きに変化が…
身近なミツバチ 園児たちにも伝わるように…
(桜沢気象予報士)「みんな入り口の方を向いて、同じ方向を向いてますね」
(水野晶夫教授)「これは羽を震わせて、中の暑い熱気を外に出そうとしている」
(桜沢気象予報士)「なるほど!逆扇風機状態ですね」
(水野晶夫教授)「(中の温度を)35℃くらいで保つ。(巣の中が)暑すぎると風の入れ替えをする」
この日は身近な場所でミツバチを育てていることを知ってもらおうとイベントを開きました。
(桜沢気象予報士)「このうちわを使って風をつくってみよう!」
桜沢気象予報士は、あの「ハチの暑さ対策」を説明することに。身近な場所で、ミツバチたちが懸命に生きていること、そして、名古屋でもハチと人が、安心して共に生きていけることは、伝わったでしょうか。
(園児ら)
Q:(ハチ)可愛い?
「かわいい!」
Q:怖くない?
「怖くない!全然!」
「ハチ何人いるんだろう!109人?ひゃくせん人?」
【次回予告】いよいよ最終段階、採蜜へ!
そして、6月25日!飼育は最終段階に…。
表面が白く、「貯蔵状態」になったミツがさらに増えていました。
(桜沢気象予報士)「先生、もうそろそろ…採蜜?」
(水野教授)「そうですね、美味しい蜂蜜」
そして、ついに!
(桜沢気象予報士)「次回、スペシャルゲストも参加して、一緒に採蜜です!」