なぜ寒くなると転びやすくなるのか?「じゅうたんでもつまずく」の声 冬の転倒リスクに備える対策

寒くなると、普段は転ばないような場所で転んでしまい、けがをする人が増えます。その原因と対策を取材しました。
「きのうは暖かかったが、きょうは風が冷たくて寒い。ダウンジャケットを出して、仕事でも着ています」(街の人)
名古屋の栄ではコートを着たり、手袋を着けたりする人の姿が。
冷え込む日も多くなってきましたが、これからの時期に気をつけたいのが転倒です。
東京消防庁によると、去年、管内で転倒によるけがで救急搬送された人は、毎月7000人以上います。
10月以降から増え始め、12月には1万人近くにまで増えます。
ウルフィアプリのアンケートでも、2割の人が、寒くなると転ぶことが増えると答えました。
なぜ寒くなると転びやすくなる?

街でも、こんな声が――
「じゅうたんなど、ちょっとの段差でも掃除していてつまずきそうになる」(街の人)
「ブーツなどをだして久しぶりに履いたので、ちょっとこてっと転びそうになったりはした」「ちょっとした段差などで足が思ったように動いていない」(街の人)
なぜ、寒くなると転びやすくなるのでしょうか。
シニア世代の運動機能などを研究している中京大学の渡辺教授は――
「筋肉の活動、収縮のしやすさは外気の温度に結構影響を受けることが知られていて、うまく力が出せなかったり、体を動かす範囲が狭くなったりする」(中京大学 競技スポーツ科学科 渡辺航平教授)
冬は家にこもりがちになり体を動かす機会が減るため、普段よりも筋力の低下が進むことも原因の一つだといいます。
「冬だと思ったより足が上がっていないなどにつながる。本当に小さい段差でもつまずいてしまう。階段などの明白な段差があるものより、普段意識していなかったところに、ひっかかってしまうことが非常に大きな問題」(渡辺教授)
今からできる対策は

厚生労働省のデータによると、去年1年間、全国で、転倒・転落などで死亡した人は、1万1935人に上ります。
交通事故で死亡した人と比べると、3倍以上です。
高齢者の場合は骨折などのけがをして、介護が必要になるケースもあり、注意が必要です。
「つまずいてしまったり、何かに引っ掛かってしまったときに、ちゃんと踏ん張れるような足腰を作ることを心がけることも、今からできる対策だと思う」(渡辺教授)
冬の転倒防止を防ぐスクワット

転倒してけがをしないよう、自宅でも出来る筋力トレーニングの仕方を渡辺教授に聞きました。
1:足を肩幅の3倍ぐらいまでしっかりと開き、つま先は外側に向ける。
2:右足のかかとを上げて、右手を腰に。左腕は横に出す。
3:4秒ずつ下がって戻るを繰り返す。左右10回を2~3セット
片方のつま先だけを立てることで、反対の足に負荷がかかる形になり、しっかり片足ずつ鍛えることができます。
通常のスクワットよりも効果が得られるだけでなく、転倒防止にも繋がるということです。
こうした運動を取り入れて、けがのないよう、この冬を乗り切りましょう。





