巨大地震のリスクに備え、大規模な防災拠点作りが各地で進められています。その役割とは。
【写真を見る】南海トラフ巨大地震への備えは?名古屋空港の隣に整備 愛知の“基幹的広域防災拠点”とは 救援部隊・物資送り込む司令塔 2029年度の完成目指す
大阪府南部の堺市の海沿いに広大な緑地があります。一見、単なる公園ですが…
(近畿圏臨海防災センター 千葉泰三センター長)
「災害が発生していない時は、一般の方々に開放された公園ですが、災害が発生した時は、緊急支援物資をできるだけ早く送るための活動拠点として使う」
西日本で唯一の「基幹的広域防災拠点」
ここは西日本で唯一の「基幹的広域防災拠点」で、2012年に国が整備しました。
災害発生時、警察や自衛隊などの基地となるほか、支援物資を集積し被災地域へ届ける災害復旧の拠点です。
敷地内の防災センターには…
(千葉センター長)
Q.災害時はここが司令塔に?
「災害対応する方が、こちらに詰めて調整したりする」
24時間365日、職員が常駐。
1日約5000人分 海水を真水に変える装置完備
さらに、こんな設備も。
(千葉センター長)
「こちらが海水淡水化装置になります」
Q.海水を真水に変えられる?
「海水を地下を通してこちらに集めて、その水を機械を通して真水に戻す」
(松本道弥アナウンサー)
「透明度も高いですし、不純物も目で見て全く確認できません」
この装置、1日1万7000リットル、約5000人分の飲み水を作り出せます。
広域防災拠点の整備 きっかけは阪神・淡路大震災
広域防災拠点が作られたきっかけは、31年前の阪神・淡路大震災。
大災害では、自治体そのものが機能不全となる現実を受け、外部から支援を行う拠点作りが全国で進みました。
海沿いのため、津波の心配もありますが…
(千葉センター長)
「津波よりも高い位置(海抜7メートル)に建設されているので、南海トラフ巨大地震の津波が来ても運用可能」
愛知県でも… 2029年度の完成目指す
そして、基幹的広域防災拠点は愛知県豊山町にも。県営名古屋空港のすぐ西側では、いまも土地の整備が行われています」
2029年度の完成を目指す、愛知県の基幹的広域防災拠点。立地が強みです。
この地域は、南海トラフ巨大地震で予想される最大震度は6弱。内陸部のため、津波の心配もありません。
すぐ横は県営名古屋空港で、空路で物資や人員を運び込み、幹線道路や高速道路で名古屋市などへ送り込む構想です。
名古屋空港の横で救援部隊・物資を送り込む司令塔に
(愛知県 防災危機管理課 杉浦悠輔室長補佐)
「愛知県では南海トラフの地震が危惧されている。大規模に被災する可能性がある。たくさんの救援部隊・物資を送り込む司令塔となる拠点が必要」
参考にしたのは、東日本大震災での岩手県遠野市の取り組み。津波の心配がない内陸部の遠野市は、地震発生後直ちに広域防災拠点となって沿岸部の被災地を支援しました。これは「遠野モデル」とも呼ばれ、広域防災拠点を作るモデルケースともなっています。
(杉浦室長補佐)
「国に代わって整備をして、愛知県のみならず中部圏の防災拠点としても機能できるような施設として整備していく」
近い将来、確実に起きるとされる巨大地震。個別の自治体では対処が不可能な、「その時への備え」が各地で急がれています。
2026年3月11日放送「チャント!」より


