名古屋市の地下鉄のホームから“あるもの”が姿を消しました。
2025年9月のダイヤ改正を機に、名古屋市営地下鉄ではホーム上の時刻表が全面的に撤去されました。
かつて時刻表があった場所には、現在「2次元コード」が掲示されていて、スマートフォンで読み取ると、時刻表が表示される仕組みとなっています。
駅からすべての時刻表が消えたわけではなく、改札付近には引き続き紙の時刻表が掲示されているほか、ホーム上の電光掲示板も従来通り稼働しています。
なぜ、ホームの時刻表を撤去することになったのでしょうか。名古屋市交通局は、大きな理由の一つに「経費削減」を挙げます。
時刻表の貼り替えには数百万円規模の費用が発生していました。コロナなどの影響もあり、実態に見合ったダイヤ改正を柔軟に行う必要もあったことから、貼り替えコストを抑えるための判断だったということです。
この取り組みは2023年に桜通線でスタート。その後、順次拡大し、2025年9月のダイヤ改正で上飯田線上飯田駅以外のすべての駅ホームで時刻表の掲示がなくなりました。
この大きな変化から半年ほどたちましたが、同局は「大きな混乱はなく、利用者からの目立った要望・苦情も案外届いていない」といいます。
名古屋の地下鉄は、急行や特急といった複雑な種別がなく、ある程度の間隔で次々と電車が来るような環境であるため、時刻表への依存度が低いことが理由の一つのようです。
「次の電車が何分後に来るか」はホームの電光掲示板で確認できることから、スマートフォン操作に不慣れな高齢者の方々への影響も限定的になっています。また、電光掲示板は多言語表示に対応しているため、外国人観光客の利便性も損なわれていないとしています。
乗り換え案内アプリなどの普及により、スマートフォンで時刻表を確認する人が増えた現代。今後、他の鉄道事業者にも時刻表廃止の動きが広まっていくのかもしれません。


