
被害者に届いた偽の「逮捕状」、「差押許可状」に記された「すべての財産差し押さえ」 オレオレ詐欺の手口

警察官らになりすまして現金をだましとった疑いで男女3人が27日、再逮捕されました。警察は、容疑者らが被害者に送ったとされる偽の逮捕状などを公開しました。

「逮捕状(緊急逮捕)」に記された罪名は「犯罪収益隠匿罪」。名古屋市南区の67歳の女性のLINEに、容疑者らから送られてきた画像の文書には「犯罪収益隠匿罪」により、女性を「7月25日に逮捕する」と記されています。
愛知県警によりますと、容疑者3人はほかの人物らと共謀して今年7月24日、被害者の女性に「あなたの口座が犯罪に利用されている」などとうそを言って、自宅の敷地内に現金300万円を置かせて持ち去り、だましとった疑いがもたれています。
「すべての財産を差し押さえる」

容疑者らはまず7月24日に被害者の携帯電話に電話をかけ、LINEへと誘導し、だまし取る過程で被害者の女性に偽の文書を次々と送りつけたとされています。
その1つである「凍結捜査差押許可状」には、被害者の女性のすべての財産を差し押さえることを「札幌地裁が許可」したとあり、逮捕状と同じく「7月25日に執行する」と記されています。
「逮捕状」や「差押許可状」をちらつかせて、被害者を心理的に追いつめて現金をだましとろうと企てたとみられます。
「守秘義務」で事件発覚を免れようとしたか…

また、被害者が本当の警察や家族らに相談して、事件が発覚するのを防ぐ狙いだったとみられるのが「守秘義務命令」です。
文書には「機密保持契約に従うことに同意しなければならない」「提供された情報は厳重に保持し、第三者に開示しない」「違反すれば法的措置をとる」などと記され、結びには「本命令書の解釈と適用は『日本国憲法』に従う」とあります。

被害者が300万円をだましとられた後、被害者のもとに届いたのが「金融調査一時預かり証明書」でした。発行しているのは「金融特別調査機関」なる機関でした。
容疑者3人は別の詐欺未遂事件で逮捕され、余罪捜査の過程で今回の事件への関与の疑いが強まり、再逮捕されました。認否について警察は明らかにしていません。
警察はこれらのでたらめな文書について「SNSを通じて警察が文書を示すことは絶対にない」と注意を呼び掛けています。





