
とれたて野菜を客と一緒に…ローカル鉄道で始まった『貨客混載』車内の空きスペースを活用し新たな収入源に

岐阜県西濃地方のローカル線で11月27日から、とれたての野菜の鉄道で輸送する取り組みが始まりました。客と野菜を一緒に運ぶ「貨客混載」には、鉄道会社とJAそれぞれにメリットがあるようです。 大垣市と本巣市などを結ぶ樽見鉄道、地域に愛されるローカル鉄道で27日から始まった取り組みが、地元のJAぎふと共同で行う農産物の輸送です。さつまいもやゆず、さらに地元特産の自然薯が運び込まれました。
(リポート) 「駅で積み込まれた野菜や果物のコンテナは、走行中に落下しないように、ベルトやカバーでしっかりととめられています」 この日は、樽見駅から20キロほど離れた本巣駅へ運んでいきます。 野菜は乗客が乗っていないスペースに置かれます。乗客と一緒に荷物を運ぶ取り組みで、各地の鉄道やバスなどで広がるいわゆる「貨客混載」です。
樽見鉄道では地方の人口減少などを受けて、1997年度から2024年度まで、赤字の状態が続いています。 1日の乗客数の平均が2024年度は1943人と苦しい状況の中、国や岐阜県、そして沿線の6つの市と町からの財政支援を受けて、鉄道の運営をなんとか続けています。
目的地の駅についてからは、列車から車に野菜が積み込まれたあと、JAの直売所に新鮮な野菜などが並べられました。 樽見鉄道の担当者: 「車内の空きスペースを活用して野菜を運搬することで、地産地消への貢献や、新たな収入源にもなると思います。今後の展開としては、今はJAさんの野菜や果物だけなんですけれども、他の物も運搬が始まっていくといいなと思っております」
JAにとっても、トラックで運ぶ距離が1日で40キロあまり削減できるうえ、CO2削減や職員の負担も軽くなるメリットがあります。 そのうえ、鉄道側にも運送収入が入るという野菜の鉄道輸送、地域の活性化に向けた取り組みが進んでいます。





