
栗きんとんなど多彩な秋の味覚…栗の一大産地・岐阜県中津川市 平成生まれの“画期的な栽培方法”は東濃から全国へ

中津川市は「栗きんとん」発祥の地として知られ、約200軒の栗農家が秋の味覚を支えています。糖度3倍のブランド栗「あまろん」や名物の栗料理など、自然と伝統が生む豊かな味わいが魅力です。
■中津川「栗きんとん」の歴史
名古屋から車で約1時間。岐阜県東濃エリアにある中津川市は、秋の味覚「栗きんとん」発祥の地として知られています。 中津川市観光局の担当者: 「中津川市には栗の畑があちらこちらにあり、秋の風物詩になっています」
県内屈指の栗産地で、市内には栗農家が約200軒。「はやし農場」を訪ねました。四代目・林雅広さんは、長年教師をしていましたが、先代の栗を食べ直してその美味しさに感動。15年前に家業を継ぎました。畑には約700本の栗の木が並び、一本一本に林さんの情熱が注がれています。 林さん: 「山に行くと野生の栗があります。(栗が)自然に生えていた」
中津川は山あいにあり、古くから栗が自生。大正初期に栽培が始まり、人気とともに生産は拡大。現在は年間約100トン(約400万個)を生産しています。その裏には、ある画期的な栽培方法がありました。
林さん: 「枝が横に伸びていきます。栗は太陽の光で育つので、横に広げて日光を全体に受けるようにする。低樹高栽培です」
野生の栗は高さ10メートル近い大木となり、上部にしか日光が届きません。一方、低樹高栽培は木全体が日光を受けるように剪定を繰り返し、枝を横に広げて育てる方法で、甘く質の高い栗が実ります。平成初期に東濃地方で始まり、今では全国へ広まりました。
■通常の3倍の甘さ…ブランド栗が「あまろん」
「はやし農場」自慢のブランド栗が「あまろん」。糖度は通常の約3倍といわれています。特別に焼き栗をいただきました。
リポート: 「これで完成したスイーツのようですね」 「はやし農場」では、この時期だけ直売所がオープンし、貴重な「あまろん(生栗)」(1袋2000円)を購入できます。 この時期だけ直売所がオープンし、貴重な「あまろん(生栗)」(1袋2000円)を購入できます。
市内には栗料理の店も多く、創業約50年の「大黒屋茶房」では、秋の定番「栗きんとんセット」(750円)が人気。
さらに名物の「栗おこわ」は、地元産もち米と大粒の栗をふっくら蒸し上げた逸品。お吸い物やニシンの昆布巻きなどが付く「栗おこわ定食A」(1600円)は優しい味わいと評判です。
大黒屋茶房の店主: 「ここは中山道なので、旅人をもてなすために提供していたと聞いています」 自然と伝統が息づく“栗の里”です。 2025年11月17日放送





