“悪質なカスハラ”は「名前」を公表 三重・桑名市で「カスハラ防止条例案」が可決 暴言や理不尽なクレーム防止へ
三重県桑名市でカスタマーハラスメントをした人の名前を市が公表するという条例案が、25日、賛成多数で可決されました。
【写真を見る】“悪質なカスハラ”は「名前」を公表 三重・桑名市で「カスハラ防止条例案」が可決 暴言や理不尽なクレーム防止へ
社会問題になっている、客による暴言や理不尽なクレーム「カスタマーハラスメント」。三重県四日市市では、12月13日、未払いの水道料金をめぐり職員と口論になった男(77)が、職員を突き飛ばし逮捕される事態に。
サービス業で働く2人に1人が被害に遭っているという調査結果もあります。
こうした中、大胆な対策を取ったのが三重県桑名市です。
カスハラを行った人の名前を公表するというカスハラ防止条例案を市議会で議論しています。
条例案では、カスハラを受けた市民が桑名市に相談すると、有識者らでつくる対策委員会がカスハラを行った人に聞き取りなどの調査を行います。
そのうえで、悪質なカスハラに該当すると判断されれば本人に警告を行い、それでも改善が見られない場合には、HPなどで名前を公表することを検討するというものです。
「丁寧な説明が必要」来年4月から施行へ
条例案について改めて桑名市で働く人たちに聞いてみると。
(桑名市で働く人)
「賛成です。抑止力としては必要かなと思う」
「条例があった方が色々な意味で防げると思うので、お店としてもありがたい」
そして25日の議会。可決されれば「全国初」の名前公表となることもあり、採決を前に賛成議員と反対議員による討論が重点的に行われました。
(賛成議員)
「理不尽な行為を許さないという強いメッセージを発信することが期待される」
(反対議員)
「氏名公表という制裁や被害の認定について、より慎重に審議する必要があることから同意できない」
その後の採決では…。
「起立多数であります。よって本件は可決することに決しました」
条例案は賛成多数で可決されました。
(桑名市 伊藤徳宇 市長)
「可決できて、ほっとしている。大きな一歩を踏み出せた。氏名公表に対して丁寧な説明が必要と感じる」
可決された条例は来年4月から施行される予定です。