とあるピザの写真。実はピザに乗っているのはゴマサバです。ゴマサバと言えば、福岡名物。福岡発のピザチェーンが今、宅配ピザ業界のシェアを広げています。そこには大手とは異なる独自の戦略がありました。
福岡で圧倒的シェアを誇るローカルチェーン「ピザクック」

福岡県内のピザチェーン。ピザーラ、ドミノ・ピザ、ピザハットという全国チェーンを抑えて店舗数1位がピザクックです。福岡県内には32店舗。そのほかは佐賀に1店舗というローカルチェーン。1988年創業で、売上高は30億円規模。福岡県内のシェアは4割から5割と言います。
街の人:
「生地が美味しいです」
「九州の食べ物を使っているピザが多いのかな」
ゴマサバにブリ!地産地消の「攻めた新メニュー」

4月からの新メニューが4種類の味が楽しめる、その名も「博多海鮮スターフォー」。トッピングにはなんとゴマサバ。サバの刺身をゴマだれであえた福岡の郷土料理です。
テレQ記者 松井陽子:
「新鮮なゴマサバとピザの生地が意外に合います。美味しい」

2つ目の味はブリのカルパッチョ。福岡の長浜鮮魚市場から直送です。3つ目の味は、福岡ソフトバンクホークスで人気選手だった松田宣浩さんコラボ・熱男のシーフード。そして4つ目の味は、えびマヨベーコン。直径25センチのMサイズで3580円です。

イワタダイナース ピザクック事業部 冨永貴伸本部長:
「大手チェーンではできない、地元で愛されて育ったピザクックだからこそできる地産地消の戦略」

ピザクックの特徴は、福岡の味をテーマにした攻めたメニュー。これまでにも有名水たき料亭「博多 華味鳥」とコラボし、鶏の深いコクが味わえる水たきに、九州特有の甘口醤油を使った甘辛い味付けの鶏すきをトッピングしたピザに、福岡産黒毛和牛、宮崎産黒豚、鹿児島産黒さつま鶏、長崎産黒マグロと九州産の食材をトッピングしたピザなどを販売してきました。
強みはグループ会社のネットワークとこだわりの地元産生地

こうした地元企業とのコラボを支えているのは、グループ会社の岩田産業です。岩田産業は九州・山口エリア最大級の外食産業向け食品商社。地域の生産者や食品会社とのつながりがユニークなピザ開発に生きています。具材だけではありません。生地の小麦も地元産にこだわります。生地には福岡県産小麦「ミナミノカオリ」を100%使用。工場では、ひとつずつ人の手で丸めて整えます。さらに店舗で生地を2日間低温熟成、独自の食感を生み出しています。

イワタダイナース ピザクック事業部 冨永本部長:
「外がカリッと中がもちもちとした、冷めても美味しくて、噛めば噛むほど旨味が出てくるような生地」
あえて全国急がず「九州集中」で大手と差別化

ピザクックは創業当時、大手と同様にオーソドックスなピザを展開していました。1990年代に差別化を図るため照り焼きなど和のテイストをいち早く取り入れます。そして2010年代以降は素材のローカル化戦略を強めました。

イワタダイナース ピザクック事業部 冨永本部長:
「全国展開はやはり視野に入れながら活動はしています。九州は本当に食の宝庫でもあるので、九州各県のいい素材をいい形で、ピザにして提供していきたいです」

日本経済新聞社 西部支社 中島美佳記者:
「ピザクックは全国展開を急ぐのではなく、まずは九州での店舗拡大を目指しています。地元の食材や食文化を強みにできる地域に経営資源を集中することで、大手チェーンとの差別化を図る戦略と言えます」


