今ドキの“ランドセル事情” チャームなどのカスタマイズや…シルバーの新色も 平均購入価格は約5万9000円
イマドキの小学生は、どんなランドセルを使っているのでしょうか?小学校やランドセル工房へ取材してきました!
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名古屋市東区の東桜小学校の1年生の教室で、「ランドセル」について聞いてみると…
Qお気に入りポイントは?
(小学1年生)
「ハートがついているところ。青色じゃなくて薄い水色が好き。薄い水色がかわいい」
「黒で線が金色。かっこいいなと思って選んだ」
(小学1年生)
「自分でかっこいい色だと思った。(金額は)分かりません。結構高いお金だと思います」
皆さんそれぞれにこだわりがあるランドセル。全体的に、値段は年々上昇しています。ランドセル工業会によりますと、去年4月のランドセル平均購入価格は約5万9000円。10年前と比べると、1万7000円も上昇しています。
決して安い買い物ではありません。児童の中には、親と慎重に選んで決めたという声が…
ターゲットは来年の入学予定者
(小学1年生)
「5個レンタルした。その中から一番いいのを買った」
購入前、ランドセルのレンタルサービスを利用して、5つの候補の中から青の生地に白いステッチが入ったランドセルに決めたそうです!また、ランドセルを使ううちに、より体に負担の少ないカバンに変えたという児童も…
(小学1年生)
「リュックです。一応ランドセルは持っているけど、重たくて大変だから、今はかわいいリュックにした。英語(ブランドのロゴ)とかついているところが好き」
東桜小学校によると、登下校中に両手が自由になる“かばん”であればOKにしているということですが、ランドセルは、基本的には子どもたちが6年間大事に使う“相棒”。
購入機会が極めて限定的になるだけに、市場の動きはいま、すでに来年入学予定の子どもたちがターゲットになっています。
男の子には「ドジャース」のマリンブルーが人気⁉
(青木まな記者)
「ご覧ください、このバリエーション!目移りしてしまいますね」
1957年創業、名古屋市中村区の「村瀬鞄行」。展開・販売しているランドセルは64種類以上。最新モデルを見せていただきました!
シルバーに輝く牛革のランドセル。ランドセルの色も、時代で様変わりです。
(村瀬鞄行 林州代会長)
「色がかなり増えた。昔は黒と赤だけ作っていれば大丈夫だったが、おととしくらいから(男の子は)マリンブルー『ドジャース』の色。女の子はディズニーキャラクターから。『アナと雪の女王』がはやった時は水色。『ラプンツェル』がはやった時は紫。少しずつ時代を反映している」
2月14日からは、来年入学の子どもをターゲットに、新作の展示販売を開始します。時代は色だけでなく、びょうやチャームでカスタマイズしたいというニーズもあり、より個性が求められていると言います。さらに…
「富嶽三十六景」をモチーフにしたランドセル
(村瀬鞄行 林州代会長)
「軽く感じる軽量化『体感重量』をすごく重視している」
背負った時の心地よさも当然、問われます。そこで、ランドセルを背負ってみました!
(青木まな記者)
「フィットしています!重いとずれそうなんですけど、それがないです。誰かが上から引きあげてくれているような…そんな感覚です」
背あてや肩ベルトの部分には、低反発材を入れています。時代時代でどう対応するか。少子化が進む中で、どう生き残るかが長年の課題です。
(村瀬鞄行 林州代会長)「海外にも広めていけたら」
林会長は、海外の人にもかばんのひとつとして、ランドセルに目を向けてもらえないかという思いから、2022年には驚きのランドセルを製作していました!
葛飾北斎の富嶽三十六景をモチーフにしたランドセルです!展示会用に作ったもので、お値段は50万円!またこのところ、物価高の波にひどく苦しめられていると話します。
(村瀬鞄行 林州代会長)
「金具も糸もすべて(コストが)上がっている」
消費者の財布のひもも固くなっていると思われますが…
「子ども1人につき、6つの“お財布”がある」
(村瀬鞄行 林州代会長)
「1人の子どもに(両親・両祖父母の)6つのお財布があるということなので、“せっかく買うんだからいい物を買おう”というお客さまが多い」
長く使える高品質なランドセルを、職人の熟練の技で丁寧に。工房も見せていただきました。
(村瀬鞄行 林州代会長)
「手縫いだと、途中で糸が切れても、一針一針絡めて縫っているので、ほつれてこない」
すでに2026年を視野に動き出しているランドセル業界ですが、職人の井戸田さんにも自負があります。
(村瀬鞄行 井戸田和之さん)
「(ランドセルは)伝統だから続いているというのではなく、これからも通学環境は変わっていくので、そこに合わせて進化させていけば、通学に最適な“かばん”として残っていく」