「蚊は黒色の服に寄ってくる」、「飲酒後は刺されやすい」など蚊にまつわる噂は本当なのか、調べてみました。
黒い服やボーダー柄は蚊を引き寄せる原因に

まずは、「蚊は黒色の服に寄ってくるって本当?」といううわさから。実はこれは、本当です。ヤマザキ動物看護大学動物人間関係学科の長島孝行教授に取材をしました。長島教授によると、蚊は非常に視力が弱い生き物だそうです。

長崎大学の研究によりますと、人の視力を1としたときに、蚊の視力は0.003以下だと言われています。人の視界に比べると、蚊の視界はもう全く見えていません。ぼんやりとしています。ただ、蚊は色の濃淡や明暗は認識することができまして、濃い・暗い色を追う習性があると言います。そのため、黒色の服は蚊が追いかける目印になってしまうそうだからです。

黒色にも注意が必要なんですが、それ以上に注意が必要なのが、白と黒のボーダー柄なんです。なぜかと言いますと、白と黒のコントラストで黒が強調されて、より蚊を引き寄せやすくなるということです。こうした服を着て蚊の多い場所に出かける際は注意してください。
飲酒後の二酸化炭素や体温上昇が蚊を惹きつける

続いてのうわさは「飲酒をした後は蚊に刺されやすいって本当?」です。これも実は、本当です。長年、蚊の研究を行っています花王ヒューマンヘルスケア研究所の難波綾さんに取材をしたところ、なんと蚊を引き寄せるカギを握るのは、二酸化炭素だということです。

人間の体内では、アルコールが分解される過程で二酸化炭素が発生します。実はこの二酸化炭素に、蚊が反応します。先ほど蚊の視力が弱いという話をしましたが、蚊の嗅覚は優れているそうで、10メートル離れた場所からでも二酸化炭素を吐き出す人間を認識して近づいてくると言います。お酒を飲んだ人からは通常よりも多くの二酸化炭素が吐き出されるので、蚊が寄りやすくなる。つまり刺されやすくなるというわけですね。また、他にも蚊は、体温の高い人や、汗のにおいが大好きで、お酒を飲んだ人はこうした条件がそろっていることも蚊のターゲットになりやすい要因だと話していました。

この蚊と二酸化炭素の関係については、花王ヒューマンヘルスケア研究所と理化学研究所が共同で次のような実験を行っています。仮想の空間装置の中に、蚊と二酸化炭素を入れて、LEDパネルに表示された黒い棒を追いかけさせるという実験を行っていまして、その結果、二酸化炭素を入れると、入れる前よりもこの黒い棒を正確に追いかけたという結果が出ています。この結果から、二酸化炭素が蚊の感覚を刺激して、発生源である人を追いかけるモチベーションになっている可能性があるのではないかと話していました。
猛暑日は蚊も休憩?活動が活発になる気温とは

それでは最後の気になるうわさは「蚊も夏バテをするって本当?」です。実はこれも、本当です。

長島教授にお話を伺ったところ、蚊の活動が鈍くなる気温というのが、35度以上だと言われています。ただ完全にいなくなるわけではなく、気温の高いときは木陰などで休憩をしていて、その分、涼しくなってくる朝や夜などに活動を再開すると言われています。そして逆に、蚊が活動するのに適した気温というのがあります。それが25度から31度ですね。

ちなみに、気象予報士の上野さんによると、今後の名古屋の予想最高気温は、まさに低いところで最高気温25度から高いところ30度ということで、日中はまさに蚊が活動するのに最適な気温です。蚊がいそうな場所では対策をしてお過ごしください。


