牛乳屋さんの年中売れる福袋 人気の秘密は“客とのコミュニケーション” 岐阜

牛乳などを作る岐阜県の飛騨地域で唯一の乳業メーカーが販売する福袋が“年中売れる福袋”として注目されています。
岐阜県飛騨市にある乳業メーカー「牧成舎」。
牛乳やヨーグルト、チーズなどを製造・販売しています。
「牧成舎で育てられているのは、茶色いジャージー牛。乳脂肪が多く、クリーミーなのが特徴だということです」(記者)
市内にある自社の牧場では、茶色い毛をしたジャージー種の牛を20頭飼育しています。
このジャージー牛乳と地元の酪農家のホルスタイン種の牛乳を混ぜた「牧成舎牛乳」は、独特のコクが特徴です。
岐阜県全体では乳業メーカーの廃業が深刻になっていて、1986年に20近くあった乳業メーカーの数は減少し続けました。
配送コストや人件費の上昇、牛のえさ代の高騰などが要因だといいます。
「えさ代がコロナ前と比べると、140%くらい高くなっている。濃厚飼料にしてもビタミン剤にしても、すべて高くなっている」(牧成舎 牧田礼子社長)
年中売れる“福袋”を始めた理由は――

人気のご当地ブランドだった「飛騨牛乳」の製造元が3月に解散し、現在は「牧成舎」が飛騨地域で唯一の乳業メーカーです。
これまで少量の牛乳は瓶のみで販売していましたが、販路拡大のため、新たに200mlの紙パックの販売も目指しています。
従業員わずか30人ほどの会社にとっては、大きな挑戦です。
その原動力が――
「牧成舎で“年中売れる”と話題なのが、福袋です。中には牛乳やヨーグルトなど6種類の乳製品が入っています」(記者)
福袋といってもお正月限定ではなく、年中販売しています。
Q.福袋を始めた理由は?
「製品ロスがあり低温殺菌牛乳で、消費期限が短くなんとか回していこうと…」(牧田社長)
細かい要望に応じる“客とのコミュニケーション”

楽天市場では牧成舎の乳製品が詰まった福袋が、今年だけですでに2万セット売り上げています。
「福袋が人気ナンバーワンの商品になった」(牧田社長)
人気の秘密は――
「こちらの客はヨーグルト多めを希望なので、通常より1つ多めに入れています」(牧成舎の従業員)
ネット注文ですが、細かい要望に応じる客とのコミュニケーションがリピーターをひきつけています。
福袋にすることで、“訳アリ”商品も無駄なく消費してもらえるといいます。
「福袋でのお客様の声は、生きたメッセージをいただいている。牛乳を大切にしながらいろんな製品をつくって、幅広いメーカーになっていきたいと思います」(牧田社長)





