
ドラゴンズで大活躍の上林誠知選手 けがと戦力外通告からの復活に母の教え「常に謙虚に」

今季のドラゴンズに欠かせない存在となっているのが、移籍2年目の上林誠知選手(29)。大活躍をみせる彼には、大切にしている教えがありました。
今シーズン、ひときわ輝きを放っているのが、プロ12年目の上林誠知選手。
ここまで欠場したのはわずか1試合のみ。ホームラン・打点・盗塁数でチームトップの数字をマークしています。
「久しぶりにずっと試合に出られているので、褒めてあげたい部分とまだまだな部分と両方ある感じです。普通かなという感じです、今の成績は」(上林選手)
今やチームに必要不可欠な存在にも関わらず、常に謙虚な心を持つ上林選手。
その裏には、活躍を語るうえで欠かせない人がいます。
「まず料理がすごく上手で、小さいころからたくさん食べてきているので、この体があるのも母親のおかげだと思っています」(上林選手)
3人兄弟を育てた母の存在

男3人兄弟の次男として生まれた上林選手。
野球少年だった兄弟全員の胃袋を満たしていたのが、母の蓮草(よんちょ)さんです。
「毎日毎日野球当番。10年間やりました。大変だったけど、子どもたちが大きくなって、そういう大変さは忘れちゃいました」(蓮草さん)
韓国出身の蓮草さんは、3年前、自宅のある埼玉県内にテイクアウト専門のキンパのお店をオープン。
時に、上林選手が手伝うこともあるんです。
韓国料理教室が名古屋でも大好評

5月、名古屋市内で開かれたのは「オンマの韓国料理教室」。先生は蓮草さんです。
実は、お客さんの要望で定期的に料理教室も開催しています。
元々はお店のある埼玉で開催していましたが、上林選手の移籍がきっかけで名古屋でも行うように。
今回が5回目。定員をオーバーするほど参加者も増えているといいます。
「すごくうれしいし楽しい。料理教室が私に合っているかなという感じ。楽しいです。店をやるより楽しい」(蓮草さん)
そして名古屋での何よりの楽しみが、バンテリンドームで息子の応援をすること。
「1打席目で打っていれば一安心する。でも1打席目で打てないと『今度打てるかな、打たないとね』そういう気持ちになる。ハラハラドキドキなんですよ」(蓮草さん)
ヒーローインタビューで驚きの出来事

実は5月、話題となった出来事がありました。
勝利後のヒーローインタビュー。
上林選手とともに涌井秀章投手(38)がお立ち台に上がった際――。
「チームが勝てて良かったので…そして、上林のお母さんがキムチ屋をやっているので、みなさんぜひ買ってあげてください」(涌井投手)
「ビックリしました。実は涌井さんに3回くらい白菜キムチやチャンジャをあげたことがあるんです。それがすごくおいしかったらしく、突然そういうことを言ってくれたので、ビックリしました」(蓮草さん)
この時のことを上林選手にも聞いてみると――。
「お立ち台で涌井さんがキムチ屋さんと言っていたけど、キムチ屋さんではない…」(上林選手)
けがと戦力外通告から再び開花

今から11年前、ソフトバンクに入団した上林選手。
プロ5年目のシーズンは全試合に出場し、自己最多22本のホームランを放つなどチームの日本一に貢献しました。
しかし、その後は度重なるけがに苦しむ日々。
2年前には、10年間プレーしたソフトバンクから戦力外通告を受けました。
それでも今、ドラゴンズで再び花を咲かせている29歳。
その裏には、母の教えがありました。
「常に謙虚にということは言われているし、これだけけがをして、まだ野球をできているというのは、色んな人に感謝しないといけない」(上林選手)
「感謝の気持ち」を胸に

「本人はもっと苦しかったでしょう。苦しさを乗り越える、感謝の気持ちで。打てない時、何かした時は、感謝の気持ちでやれば、できるでしょ。うまくいくでしょという感じ。何でも感謝の気持ちを持たないと」(蓮草さん)
チームの上位浮上には、上林選手の活躍が必要不可欠。「感謝の気持ち」を胸に、シーズンを駆け抜けます。
「けがなく1年間やり切って、最後は笑って終われるようなシーズンにしたい。結果で色んな方に恩返しできるように、頑張っていきたいです」(上林選手)
(2025年6月5日放送 メ~テレ『ドデスカ+』「じもスポ!」コーナーより)