
三遠ネオフェニックスで人生が変わった“ブースター”高校生 集客企画がファンの話題に、チームにも届いた

新アリーナ問題に揺れる愛知県豊橋市などを拠点とする三遠ネオフェニックス。リーグ初制覇を目指すチームに人生を変えられた地元の高校生を追いました。

「地元チームっていう近い存在。豊橋にあってよかったと思います」(豊橋商業高校2年 門屋乃愛さん)
今シーズン、クラブ連勝記録を22連勝に更新。驚異的な強さを誇り、中地区2連覇を達成した、豊橋市などを本拠地とする三遠ネオフェニックス。
チームの躍進の裏には、いつも背中を押してくれるバスケットボールファン、通称“ブースター”の存在がありました。
「ブースターさんの力があって、自分たちがここ2年目3年目とステップアップできた」(大野篤史HC)
そのひとりが豊橋商業高校2年の門屋乃愛さん。
自宅には三遠グッズがぎっしり!
今シーズン、ホームゲームは全試合会場で応援している熱烈なブースターです!
「個人競技を水泳でやっていて、チームで戦うのを味わったことがなかった。みんなで勝ちに行く姿が新鮮で憧れる」(門屋さん)
SNSを活用した集客企画が全国のファンの話題に

門屋さんの“推し”は、パリオリンピック日本代表としても活躍した吉井裕鷹選手(26)。
「外国人選手に対してのディフェンスがすごい。中にも入っていける選手で、いろいろな面が見られて、何でもできる選手なんだなって」(門屋さん)
去年、門屋さんの三遠への思いが溢れたゆえの出来事がありました。
門屋さんが通う豊橋商業高校では、2年生が授業の一環として「三遠の集客計画」を考える取り組みを行っています。
進学した大きな要因となった授業でしたが…。
「私たちの代ではそれをやらせてもらえないかもしれないっていうのを聞いて…」(門屋さん)
そこで当時1年生だった門屋さんは校長先生に授業の継続を直談判!
「商業高校はSNSを使っていろんな人に向けて発信しているので」(門屋さん)
自分でイチから考えたSNSを活用した集客企画などをプレゼンし、アピールしました。
すると熱意に感銘を受けた校長先生が学校のSNSに投稿。一気に全国のバスケファンに拡散しました。
なんと、三遠のキャプテン・佐々木隆成選手にも届いたんです!
「もう本当に嬉しかったというか、あれだけ僕たちのことを考えてくれるっていうのはなかなかないことだと思うし、今すぐにでも三遠側に引き寄せたい有望な人材だと思うので、それを皆さんに伝えたくて」(キャプテン・佐々木隆成選手)
ヘッドコーチも「リクルートしてほしい」

三遠愛に溢れる門屋さんのことを大野ヘッドコーチに伝えると・・・
「ドラフト1位ですね(笑)。この高校生をリクルートしてほしいとフロントの人に言っておきます」(大野篤史HC)
先週末に開幕したBリーグ・チャンピオンシップ。中地区首位でレギュラーシーズンを勝ち上がった三遠は、上位8チームで争われるトーナメント戦の準々決勝に挑みました。
昨シーズンも中地区トップで通過したものの、この準々決勝で敗れています。
「今年は本当にCS優勝するぞという気持ちで1年間やってきたので、(ブースターに)少しでも恩返しができるように、いい結果を残せるように頑張りたい」(佐々木選手)
門屋さんも駆けつける中、三遠史上初の準決勝進出をかけた戦いが始まりました。
三遠は初のCS準決勝進出

5月11日のチャンピオンシップ(CS)準々決勝。三遠ネオフェニックスは前日に勝利し、クラブ史上初の準決勝へ王手をかけ、第2戦に臨みました。
門屋乃愛さんも応援する中、まずは、キャプテンの佐々木隆成選手が躍動します!
佐々木選手は前半だけで12得点。三遠は終始主導権を握り、18点リードで試合を折り返します。
ところが後半、初めてこの舞台に進出した群馬に連続で15点を奪われるなど、猛攻にあいます。
それでも、門屋さんイチ推しの吉井裕鷹選手がチームを鼓舞。
「みんながちょっと静かになっちゃったときも進んで声をかけてくれた」(門屋さん)
残り5分半、わずか3点差にまで詰め寄られた三遠。
窮地を救ったのが…吉井選手のスリーポイントシュートでした。
勢いに乗った三遠は、終盤で10連続ポイント!
ブースターの声援を力に変え、逃げ切った三遠。クラブ史上初の準決勝進出を決めました。
「まだ僕たちの目標はCS優勝なので、あと4試合勝たなきゃいけないので、そのためには皆さんの声援が必要になります、まだまだ会場に来て応援よろしくお願いします」(佐々木選手)
ブースターに結果で恩返しを。三遠のリーグ初制覇への挑戦はまだまだ続きます。
「素晴らしい景色を見せてもらったんですけど、まだまだいろんな景色を見たいので、ぜひ優勝まで連れて行ってほしい」(門屋さん)
バスケに携わる仕事にも興味が

門屋さん、三遠を応援するにつれ、将来の夢に変化が。
もともと看護師に憧れていたものの、今はバスケに携わる仕事にも興味を持ち始めたと言います。
「バスケを見るようになってから自分の進路も考え直すようになったし、すごくいいきっかけをもらったなと思っています」(門屋さん)
(2025年5月15日放送 メ~テレ『ドデスカ+』「じもスポ!」コーナーより)