王座戦第5局 藤井七冠タイトル死守するか 伊藤叡王”因縁の場所”で再びタイトル奪取なるか

タイトル死守か奪取か 王座戦第5局で対局する藤井七冠と伊藤叡王
将棋の王座戦第5局、藤井聡太七冠にとって28日の対局は重要局面です。勝てば王座のタイトルを防衛か、負ければ六冠に陥落か。相手は、藤井七冠から叡王のタイトルを奪った伊藤叡王。その決着がついた場所は、今回の王座戦と同じ山梨の常盤ホテルです。同学年ライバルの2人が、再び常盤ホテルで顔を合わせました。因縁の対決のポイントを棋士が独自解説です。
対局の序盤伊藤叡王が驚きの一手を
王座戦の序盤の見どころを現地にいる勝又清和七段に聞きました。
勝又七段が注目したのは午前9時半ごろの32手目のこの局面です。ここで伊藤叡王が指したのは8六飛車。藤井七冠に飛車交換を挑んだ一手です。藤井七冠が交換を受け入れれば、対局開始からわずか30分でいきなり終盤戦に突入する事態になります。
勝又清和七段:
「ものすごくびっくりしました。控室にいた解説の棋士、立ち合いの棋士、全員驚いていた。いきなり決戦ということもあるが、本当に藤井七冠に勝つために研究してきた手順という感じ」
これに対して藤井七冠は6分考えて8五歩と飛車交換を拒否する一手を指しました。
勝又清和七段:
「決戦になる可能性があるところは腰を落としてゆっくり考えそうなところなんですけど、わずか6分で指しているというところはこの球を投げてくるんじゃないかと予想がついていた可能性がある」
一進一退の対局が続く
この後は互いに陣形を整えたところで藤井七冠が桂馬を前進させて攻める展開となりました。
勝又清和七段:
「伊藤叡王が受け、藤井七冠が攻めという(構図)。伊藤叡王としては得意の相掛かりでしかも受けに回る展開、自分のペースに持ち込んだ。藤井七冠は桂馬を使うのが得意ということもあってこの展開なら自信が持てると思っている可能性も高い」
今も、一進一退の対局が続いています。勝敗は28日の夜に決まる見通しです。





