国産牛の赤身ステーキ肉と、オーストラリア産の赤身ステーキ肉。どちらが高いと思いますか? 実は今、これまで“お手頃な選択肢”となっていた外国産が、国産の価格を超える逆転現象が起きています。背景にあるのは、39年半ぶりの水準となっている、あの数字でした。
国産より外国産が高い!? 歴史的円安で変わる食卓の常識

高級品のイメージがある国産肉より、輸入肉の方が高くなる“逆転現象”が起きているのは、愛知県安城市のスーパー「ビッグリブ安城店」。
店頭に並ぶ牛肉の価格をみると、オーストラリア産の赤身ステーキが、国産より100グラムあたり約120円も高くなっていました。
牛肉だけではありません。ノルウェー産の塩サバは国産より100グラムあたり50円高いという事態になっていました。
この逆転現象の背景にあるのが、1ドル162円台をつけ、約39年半ぶりの水準まで下落するなど、歴史的ともいえる円安。その影響で、輸入品の仕入れ価格も上がり続けているのです。
ビッグリブ安城店 杉浦浩副店長:
「思ってもみなかった値段になっちゃっている。こういうふうになると全然思っていなかったですね」

国産も物価高で値上がりしていますが、外国産はそれを上回る上昇率を見せています。これまで安いお値打ち品といえば外国産でしたが、状況が一変しています。
また、逆転まではしていませんが、鶏肉や豚肉も価格差がわずかになっています。
ビッグリブ安城店 杉浦浩副店長:
「昔(輸入豚肉)ロースであれば (100グラム)2桁あった。特売で98円とか。だけど、今はそういうことはできないですね」
市場関係者は、為替介入への警戒感から急激な円安は抑えられるものの、長期的にはさらに円安が進む可能性が高いとみているといいます。
買い物に来ていた人は、「逆転してしまうと分からなくなる、今までの感覚」「どちらも値上がりしているから、(結局)お財布には痛いなって感じ」「輸入品も買えない。国産も高いし、両方高い。早く元の値段に戻ってほしい」と、価格高騰に戸惑いを隠せない様子でした。
39年半ぶりの円安 支出&収入はどうなる?

一つ一つは10円や20円の差であっても、それが積み上がると、どれぐらいの支出増になるのか、みずほ総合研究所が試算したデータがあります。
2025年のレートと比べると、収入が500万円から600万円の場合、1年で1万4596円支出が増える計算になります。収入が増えるほど影響も大きくなり、1000万円以上の場合では、2万3684円増えるということです。
2025年の為替レートの平均が149.7円だったので、12円ほど円安になった分、これだけの負担増が家計にのしかかるという試算です。決して少ない額ではありません。

支出だけでなく、収入にも円安が影響する可能性もあるようです。
東京商工リサーチによると、2026年の上半期で、円安が影響して倒産した企業の数は45件。2025年の同じ時期と比べて1.3倍に増えています。業種別に見てみると、半数以上の23件を占めるのが卸売業。それ以外にも、小売業や製造業など、さまざまな業種で倒産が相次いでいます。
倒産には至らなくても、業績に影響が出ている企業はさらに多いと推測されるため、給料に響くところも、今後出てくるかもしれません。
物価高なのに円安まで進むという、まさにダブルパンチの状態ですが、市場関係者の見立てでは、円安はまだ続くということです。
物価高を踏まえた上で、家庭のマネープランを見直していく必要が出てきそうです。


