10年前の地震の後に建て替えられた、熊本・八代市役所の庁舎。今回、震度6強の揺れを観測し建物下の免震装置が大きく変形しました。
【写真を見る】熊本地震でぐにゃりと曲がった市役所の免震装置 専門家「見た目は驚くが、80%くらいの性能は残っている」 注目の“U字型のダンパー”は東海地方の建物にも
建物自体は一部が損壊しましたが、U字型のダンパーが地震の大きなエネルギーを受け止め、被害を最小限に食い止めたと評価する専門家も…
そのダンパーと同じメーカーのものを採用しているのが、愛知県の常滑市役所です。
(常滑市 施設マネジメント課 鈴木芳房課長)
「建物の8か所にU字型の鋼材ダンパーがある」
南海トラフ巨大地震に備えて…
2022年に庁舎を移転した常滑市役所は、震度7の地震にも耐えられるよう、強くてしなやかな性質の鋼鉄のU字型ダンパーを新たな免震装置として導入しました。
(常滑市 施設マネジメント課 鈴木芳房課長)
「南海トラフ巨大地震で起こるであろう、長周期地震動の揺れを想定したもの。(U字型のダンパーは)揺れの大きさを抑える役割」
さらに、建物は積層ゴムなどを組み合わせた免震構造になっています。今回の熊本地震では、八代市役所のU字型ダンパーが大きく変形したことについて…
(常滑市 施設マネジメント課 鈴木芳房課長)
「あれだけ変形したということは、揺れを免震構造が吸収したとみてとれる。十分な免震機能を果たせたのでは」
八代市役所の免震装置 「80%くらいの性能は残っている」
では、U字型のダンパーは地震が起きた時にどのように動くのか?東京科学大学の吉敷祥一教授の研究チームが行った実験映像を見てみると…
(東京科学大学 吉敷祥一教授)
「形が変わることでエネルギーを吸収している」
揺れるたびにダンパーがぐにゃりと曲がり、地震のエネルギーを吸収するのだといいます。
(東京科学大学 吉敷祥一教授)
「(U字型ダンパーは)非常に耐久性が高い。八代市役所で世界で初めてとなるような非常に大きな(ダンパーの)変形を受けたが、見た目は驚くようなものになっているが、80%くらいの性能は残っている」
八代市役所の免震装置 専門家の分析は?
地震発生後、八代市役所でダンパーの調査を行った吉敷教授は、今回変形した免震装置は、本来の役割を果たしたと分析します。
(東京科学大学 吉敷祥一教授)
「免震の建物としては、想定通りの性能を発揮できたという専門家の考え方」
Q.免震装置に影が差したと見ている人も多いかもしれないが、むしろ光が差したと考えてもいい?
「八代市の庁舎そのものが全く使えなかったとなると、免震に影が差すことになるが、しっかり事業を継続できていて、その中で壊れた所を少しずつ復旧していく段階なので、免震していてよかったのでは」


