写真撮影中 茂みの中から熊が… 世界遺産・白川郷でスペイン人観光客が熊に襲われケガ きょうもワナ設置など厳戒態勢 観光への影響も懸念 岐阜

クマによる被害が全国で相次ぐ中、岐阜県の世界遺産・白川郷で10月5日、クマが観光客を襲い、現場周辺では警戒が続いています。
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(名古屋からの観光客)
「クマが出たの!?観光地は打撃ですよね」
(札幌からの観光客)
「この辺まで下りてこないかとちょっと心配」
クマが出没したのは5日午前8時半ごろ。岐阜県白川村の世界遺産・白川郷にあるバス乗り場近くで、スペイン人観光客の40歳男性が背後から襲われ、右腕を引っかかれる軽いけがをしました。
(柳瀬晴貴記者)
「男性は友人と2人で写真を撮っていたところ、茂みの中からクマが現れたということです」
現場は人気スポットの近く…襲ったのは子どもの「ツキノワグマ」?
合掌造りの集落でも人気のスポット「和田家住宅」からほど近い場所で起きた今回の被害。付近には、クマとみられる足跡も…
(白川村役場 産業課 髙島一成課長)
「足のサイズも大人のクマまではいかない。小型のクマじゃないかと」
白川村によりますと、観光客の男性を襲ったのは体長1メートルほどの子どもの「ツキノワグマ」とみられています。
白川村でのクマ被害は2014年以来11年ぶり
海外からの観光客は…
(イタリアからの観光客)
「この辺りにクマが出たのかい?恐ろしいね。クマが出たと聞いて怖くなったよ」
(ベルギーからの観光客)
「森を歩くときは気を付けなくてはね。クマが周りにいるかもしれないから」
集落にある土産物店からも戸惑いの声が。
(土産物店の店員)
「来るのを控えようかなという人は増えるのではないか。結構、影響あると思う」
けさ、近隣の学校では、車で児童を送り届ける保護者の姿も見られました。
白川村でクマによる被害は2014年に、当時70代の夫婦が顔をひっかかれるなどして以来、11年ぶりです。
(児童の保護者)
「人を襲うクマが出てくるのは、保護者としては不安というか心配」
目撃情報はすでに昨年の倍以上に
白川村では今年度、クマの目撃情報がすでに昨年度の倍以上にあたる約90件寄せられていました。
ことしはエサとなるドングリの実りが悪く、クマがエサを求めて人里におりてきたとみられます。
白川村では、クマの目撃情報が多い展望台に通じる遊歩道を通行止めにし、警察、猟友会とともに周辺のパトロールやワナを設置するなどして警戒を強めています。