名古屋・栄で今、大規模なオフィスビルの建設が相次いでいます。商業のイメージが強い栄地区ですが、なぜなのでしょうか?
4月に竣工式が行われたのは高さ211メートルの超高層ビル「ザ・ランドマーク名古屋栄」です。地上41階建てで、低層階に商業施設やシネマコンプレックス、高層階には高級ホテルが入ります。12階から30階はオフィスで、高さ約118メートルにある24階のフロアに入ると…柱がほとんどない空間は広々としていて、窓からは中部電力ミライタワーや名古屋城が一望できます。
三菱地所 茅野静仁中部支店長:
「オフィスは経費という考え方から、投資だという考えが多くなっている。街の魅力を高めることと、選んでもらえるオフィスビルを提供していく必要がある」
実は栄地区では、ほかにもオフィスビルの建設が相次いでいます。「中日ビル」近くに3月末に完成したのは、陶磁器メーカーのノリタケなど3社が共同で開発した「栄トリッドスクエア」。地上19階建てで、2階以上がオフィスです。
さらに、東急ハンズが入っていた久屋大通沿いのビルの跡地でも建て替え工事が進められています。地上13階建てで、こちらも2階以上がオフィスになる予定です。
なぜ、いま栄にオフィスビルが続々と誕生?
なぜ、いま栄にオフィスビルが続々と誕生しているのでしょうか。OKB総研の中村紘子上席研究員に聞きました。
OKB総研 中村紘子上席研究員:
「土地の供給制約、特に名駅地区は2000年以降の再開発が駅の東側に集中していて、土地が限られている中で、ほとんど全てを建替えてしまった。その後、ささしまライブや伏見がコロナ禍の前に再開発が続き、いよいよコロナ禍後に栄地区まで広がってきた、アップデートが始まった」
いま、新しいオフィスビルは企業からの注目が高まっているといいます。
OKB総研 中村紘子上席研究員:
「今のオフィスビルは多様な働き方への対応や、働く人の健康や過ごしやすさに配慮した屋内環境、入居企業同士で交流できる空間や仕組み作りが注目されている。より新しいビルが企業から支持される要因になっている。そういった点で今、栄地区の注目が上がっている」
栄地区は名駅地区よりも賃貸料で割安感
栄地区のオフィスビルの1坪=3.3平方メートル当たりの平均賃料は1万1000円台半ばです。2010年代後半に再開発が相次いだ名駅地区がこの10年で3000円以上上がっているのに対し、栄地区は約1000円の上昇とまだ割安感はありますが、今後の賃料はどうなっていくのでしょうか。
OKB総研 中村紘子上席研究員:
「建築年数が古くなるほど賃料が上げにくい状況になるので、栄地区は名駅地区や伏見地区と比べると新しいビルが少なく、賃料が上がりづらい状況であった。地区内における新しいビルの比率が多くなってくると、相対的に賃料の相場も上がってくる。ザ・ランドマーク名古屋栄は非常に賃料も強気だと聞いているので、こうしたビルがきっかけとなって栄地区でも相場が上がっていくことが考えられる」
オフィスビルの増加は、栄地区のにぎわい作りにもいい影響を与える可能性があると話します。
OKB総研 中村紘子上席研究員:
「栄地区やその周辺には、広い緑地や屋外でイベントができる公園、美術館やコンサートホールといった文化施設があり、名駅地区がターミナルとしての利便性の良さを必須条件としていることとは違った多様な楽しみ方ができる。こうした今すでにある多様性を意識した街づくりを進めていくことができれば、オフィス街としてのブランド力もより高まっていくし、エリア全体としての魅力も今以上に増していくのではないか」


