【南海トラフ巨大地震】9分で津波到達も「逃げるより家にいた方が…」 500年前に“究極の津波対策”を決断した集落が三重に

まさに今が旬の浦村カキ。急な山に囲まれた穏やかな湾に育まれる「海の幸」です。三重県鳥羽市で進む、地形にあった津波対策とは?

【写真を見る】【南海トラフ巨大地震】9分で津波到達も「逃げるより家にいた方が…」 500年前に“究極の津波対策”を決断した集落が三重に

2025年7月、ロシアのカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震。津波は、遠く離れた養殖カキの産地、三重県鳥羽市浦村町にも到達しました。

(浦村牡蠣組合 角田直樹さん)
Q.このあたりの津波の影響は?
「手前のイカダも奥のイカダも、1か所に固まって団子になった状態」

鳥羽市には40センチの津波が押し寄せ、浦村カキを養殖するイカダの2割が流されました。海の中ではイカダを固定する太いロープとカキを吊るしたロープが絡まるなどし、被害額は約3000万円に。

リアス海岸で津波被害が拡大するワケ

鳥羽市浦村町に“海の恵み”をもたらす、穏やかなリアス海岸。しかし、津波被害を大きくさせる「別の顔」を持っていると言います。

(名古屋大学 鷺谷威教授)
「津波が押し寄せてくる時の伝わり方は、(水深が)深いと速くて浅いと遅くなる。だんだん入江の奥に向かって浅くなる。後ろからどんどんやってくるけど、前の波はそんなに進まないので、波が高くなる」

さらに、複雑な地形がつくる水の流れもあって、東日本大震災などでも津波被害が繰り返されてきました。しかし…

(角田さん)
Q.津波への対策はできる?
「40センチの津波であの被害だったので…20センチとかだったらギリギリだが」
Q.津波が40センチ以上だと?
「どこかがやられる」

わずかな平地に住宅が密集 津波からどう命を守る? 

南海トラフ巨大地震では、浦村町には20分で津波が到達。高さは最大8メートルと想定されています。命を守る対策も待ったなしです。

(今浦町内会長 岩井吉太郎さん)
「軽トラックが通るので道幅がいっぱい」

浦村町の今浦地区は、わずかな平地に住宅が密集していて、津波から身を守る場所は限られています。

(岩井さん)
「これが安政の時代に起きた地震で、津波がここまで来たという碑」

ほぼ全域が津波の浸水想定区域 安政東海地震でも…

1854年に発生した安政東海地震は、南海トラフが震源で、石碑のある海抜5メートルの場所まで津波が襲いました。

(鷺谷教授)
「ほとんどの家は石碑より下」

今浦地区は、ほぼ全域が津波の浸水想定区域に。

そこで、新たに避難場所を作ろうとしています。

海抜17メートルにある予定地は昨年まで畑でしたが、町内会が地主と交渉してヘリポートにも活用できる避難場所に。今年度、鳥羽市から80万円ほどの補助を受けて、緩やかな道を整備しました。

津波避難タワーはゼロ 鳥羽市で進む津波対策

(鳥羽市防災危機管理室 中村元気さん)
「市が勝手に整備するよりも、地元で本当に必要だと判断してもらって整備をした方が、地域の認知度も高くなる側面もある」

海の近くに山が迫る鳥羽市に、津波避難タワーはゼロ。一方で、地元が必要とする防災対策には補助金を出していて、適切な避難行動をとれば津波の到達までに高台に逃げ切れると考えています。

(名古屋大学 鷺谷教授)
Q.避難ルートは大事?
「地形がかなり急で切り立っているので、高齢者は上るのが大変なので整備が必要」

9分で津波到達想定も 「逃げるより家にいた方がいい」

地域にあった防災は、市内の別の場所でも。外海に面した鳥羽市国崎町です。ここは伊勢神宮に奉納する「熨斗鮑(のしあわび)」の生産で知られる、海の町。

南海トラフ巨大地震では、9分で津波が到達する想定です。

取材中には、現役の海女さんにも会いました。

(海女 70代)
Q.実際に津波で避難したことは?
「ない。逃げるより家にいた方がいい」

500年前に決断した“究極の津波対策”

200人ほどが暮らすこの町、実は海抜16メートルにあります。急な坂道の脇には石垣があり、その上に家々が。

かつて津波被害を経験し、集落ごと高台移転したのです。

(常福寺前住職 華谷賢光さん)
「明応地震(1498年)の津波で流されたから高台移転しようとなったのは、(国内で)国崎町が初めてと言われている」

約23mの津波でも死者は6人 石碑に記録

高台移転と言えば、和歌山県串本町など津波の脅威に直面する自治体で計画が進められています。しかし、国崎町の高台移転はなんと500年も前のこと。石碑に刻まれた文字には…

(華谷さん)
「津波の高さが7丈5尺(約23メートル)。そんな津波が来ても、高台移転した後だったから、(安政東海地震では)6人しか亡くならなかった」

(名古屋大学 鷺谷教授)
Q.高台移転は重要なこと?
「津波に対して一番安全な対策となる。高い所に住んでいれば、そもそも逃げる必要がなくなる」

“自分事”として考えると…津波対策は地域ごとに変わる

財政負担の大きさや坂のある町に暮らす課題もありますが、鳥羽市でもいま、高台移転の候補地の検討が始まっています。

(名古屋大学 鷺谷教授)
「国崎町はある意味“究極の津波対策”の高台移転を500年前にやっていたのは驚き。浦村町では自治会でいろいろ考えて、必要な財政的な支援を市に相談していたが、自分事として住民が考える。そうすると地域ごとに対策は変わってくる」

海の恵みももたらす、地域特有の“地形”。その地域にあった津波対策の答えは、1つだけではなさそうです。

©「かよチュー」実行委員会|©中京テレビ|© CBC TELEVISION CO.,LTD. |©テレビ愛知|©東海テレビ|©多田かおる/ イタキス製作委員会|©テレビ愛知・フリュー/徹之進製作委員会|©メ~テレ|東海テレビ、中京テレビ、CBCテレビ、メ~テレ、テレビ愛知|© Studio Ghibli|©2023 二月 公/KADOKAWA/声優ラジオのウラオモテ製作委員会|@CBC TELEVISION CO.,LTD. |©東海テレビ事業|©CBC TELEVISION CO.,LTD.|©実験ヒーロー製作委員会2024|©実験ヒーロー製作委員会2025|©メ~テレ |Ⓒテレビ愛知|©実験ヒーロー製作委員会2026|©東海テレビ |©BUSANMBC/TVA|©ダンスチャンネル|©メ~テレ |ラゴンズ春季キャンプ!第3クール2日目。 初の対外試合はDeNAと宜野湾で対戦! ドラフト5位の新保茉良選手とドラフト6位の花田旭選手が 1、2番でスタメン出場すると3回1アウトから ​1番・花田選手がツーベースヒットを放ち ​続く2番・新保選手がタイムリースリーベース! ​守備でも軽快なゴロさばきを見せるなど ルーキー​コンビが初実戦で猛アピール​しました!
各ページに掲載の記事・写真の無断転用を禁じます。
JASRAC許諾番号NexTone許諾番号
第9008707021Y45037号ID000007318
第9008707022Y45038号ID000007452
©東海テレビ, 中京テレビ, CBCテレビ, 名古屋テレビ, テレビ愛知 2020 All Rights Reserved.