世界遺産・白川村で秋の恒例「どぶろく祭」始まる 飛騨地方で相次ぐクマ被害に厳戒態勢

全国各地でクマの出没が相次いでいます。観光客がクマに襲われた岐阜県白川村では、警戒が続くなか「どぶろく祭」が始まりました。
世界遺産の合掌造りで知られる岐阜県白川村。14日から毎年恒例の「どぶろく祭」が始まりました。
その年の収穫に感謝し、神社で作られたお酒「どぶろく」を訪れた人たちに振る舞う、白川村の伝統行事です。
100人を超える行列が獅子舞を奉納しながら、合掌集落を練り歩きました。
今年の収穫を祝う一方で…。
「お祭りが行われている隣では、警察官がクマの警戒にあたっています」(記者)
白川村では10月5日、観光していたスペイン人の男性がクマに襲われる被害がありました。
観光客はどのように感じているのでしょうか。
「ここは人がいっぱいいるので、クマも近づいてこないかなと」(山形県からの観光客)
白川村では、被害発生後、警察などによる見回りやクマが出没する時間帯の遊歩道への立ち入り禁止といった対策がとられてきました。
さらに祭り期間中は、のべ50人ほどの警察官がクマスプレーや盾を準備して警戒にあたるということです。
「お客様にもごみは持ち帰ってもらうことを徹底している」(白川村 産業課 白木光成 係長)
白川村の3つの神社で10月19日まで行われる「どぶろく祭」。クマへの警戒も続きます。
「クマを含めた野生動物は身近にいるということを認識して行動してほしい」(白木係長)
高山でのクマ目撃数は去年の7倍

一方、隣の高山市でもクマの被害が。
12日、栗拾いに来ていた76歳の男性がクマに襲われて大けがをしました。現場には、親子とみられるツキノワグマ2頭がいました。
「住民の生命と財産を守るのが使命。躊躇せずいろんな対応をお願いしたい」(高山市 田中明 市長)
被害を受け、高山市が14日開催した「クマ被害対策本部会議」で明らかにされたのが…。
「13日に設置したおりについて、14日朝に確認したところ、親グマが1頭、子グマが1頭の2頭捕獲を確認した」(担当者)
現場近くで捕獲されたという、親子とみられるクマ。男性を襲ったクマかどうかはわかっていません。
高山市では、10月のクマの目撃件数はすでに60件を超えています。去年10月の1カ月間の件数と比べ、7倍もの数字です。
「子どもたちや高齢の方々には、これまで以上に注意喚起するのと、なるべくクマを寄せつけないような対応をする」(田中市長)