遺体が発見された車、約1カ月前には放置か 逮捕の男「去年夏ごろ首絞め殺害」 愛知・一宮市

車の中に遺体を遺棄したとして逮捕・送検された男。車は、愛知県一宮市の住宅街の一角に長期間止められていたとみられます。一体なぜそこに?
捜査員に囲まれ、車に乗り込んだ男。
死体遺棄の疑いで18日の朝に送検された、愛知県豊田市の無職、藤井貴也容疑者(24)です。
事件が発覚したのは、16日夜のことです。
一宮市内の路上に止められた、1台の車。
近くを通りかかった車のドライブレコーダーには、捜査員でしょうか。複数の人が車を調べている様子が写っていました。
愛知県警によりますと16日午前、岐阜県警から「一宮市の路上に止められた車の中に死体がある可能性がある」と情報提供があったといいます。
警察が車を一宮警察署に運びトランクを確認すると、中から年齢・性別のわからない遺体がみつかりました。
警察は藤井容疑者の身柄を確保し、任意同行。
遺体を車の中に放置したとして、17日午前に逮捕しました。
容疑を認めているということです。
人目にもつきやすい住宅街の一角

近所の住民によりますと、遺体が放置されていた車は、少なくとも1カ月ほど前からこちらの場所に止められていたということです。
「何日も前から止まっていた車だったので、何かこう気づいてあげられることがあったらよかった」(近くで働く人)
3月22日に撮影された写真。この時点ですでに、車は放置されていたことになります。
人目にもつきやすい住宅街の一角。なぜ、この場所に遺体が遺棄されたのでしょうか?近くに住む人たちは、この場所について――
Q.路上駐車は多い
「(車は)最低でも2、3台。多い時には本当に(車を)止める余白がないぐらい止まっている時もあります」(近くに住む人)
「この辺結構止まっている車もあるので、特に何か怪しいなというのは感じなかった」(近くで働く人)
容疑者の元交際相手は「交際をめぐる相談」を複数回していた

また、現場のすぐ近くでは――
「午前10時半前です。容疑者が住んでいたとみられる建物に警察が入っていきます。これから家宅捜索が行われる模様です」(記者)
集合住宅の一室を、入念に調べる警察。
捜査関係者によりますと、藤井容疑者は事件発覚前、車が放置されていた現場のすぐ近くに住んでいたことがあるといいます。
“土地勘”のある場所で、他の路上駐車の車に紛れるようなところが、放置場所として選ばれたのでしょうか――
そして、死後数カ月がたっているとみられるこの遺体、身元はまだ分かっていませんが、捜査関係者によりますと、現在行方不明となっている岐阜県に住む19歳の女性とみられるということです。
この女性は藤井容疑者の「元交際相手」で、女性は過去に岐阜県警に対し、「交際をめぐる相談」を複数回していたこともわかっています。
警察は、遺体の身元の確認を進めるとともに、行方不明となっている女性からの相談内容と、事件との関連を調べています。
遺体の首には、絞められたような痕

そして18日、新たにわかったこと。
遺体の首には、絞められたような痕があったといいます。
さらに捜査関係者によりますと、藤井容疑者は警察の調べに対し、“去年夏ころ、首を絞めて殺した”という趣旨の供述をしているということです。
供述が事実であれば、被害者が死亡してから、半年以上経っていることになります。
この間、遺体はどこにあったのでしょうか?いまだ”謎”が多く残る事件。
警察は、殺人の疑いも視野に捜査を進めています。