高速道路の“逆走事案”「どのICでも起こりえる」 事故リスク回避のポイント

全国で2日に1回以上のペースで発生しているという高速道路の「逆走事案」。東海地方にも、注意が必要なインターチェンジがありました。
26日夜、栃木県那須塩原市の東北自動車道で、逆走した車が他の車に正面衝突するなどし、3人が死亡、10人がけがをした事故。
警察は逆走した車が現場近くの黒磯板室ICから入った可能性もあるとみています。
本来のルートでは赤く塗られた道路を「右折」していくのですが、誤って左に曲がってしまうと、「逆走」して事故現場の方面に向かうことになります。
似たような場所は東海地方にも

「逆走の原因とみられるICと同じような構造の場所がこの地方にもありました。それが郡上八幡ICです」(メ~テレ 石神愛子 アナ)
東海北陸道、岐阜県郡上市の郡上八幡ICを上空から見てみます。下り車線は、出口に向かう車と入口から本線に向かう車線が交差する「平面Y型」と呼ばれる構造になっています。
東北自動車道の黒磯板室ICと同じようなつくりです。実際に走ってみるとーー
「一時停止や逆走禁止の看板はあり、路面を見ると左右赤と青で色分けされていますが、物理的に左折できてしまいます」(メ~テレ 石神愛子 アナ)
「逆走禁止」の注意看板の設置など、ドライバーに呼びかける対策は講じられています。近くに住む人はーー
「言われてみて初めて逆走の可能性があるなと。(対策は)何か合図、ランプがばっとつくとか、(逆走に)いかに早く気付くかだけでは」(地元の人)
出口から進入してしまう逆走事案も

一方、こちらは名古屋市港区にある、名古屋高速・船見出入口です。ここでは去年、出口から車が進入してしまう逆走事案が発生したといいます。
「いま車が入っていきました。料金所の入り口と出口が似たような作りで横並びになっています。慣れていない方や夜間だと分かりづらいかもしれません」(メ~テレ 石神愛子 アナ)
去年の逆走事案を受け、名古屋高速は2つ使っていた料金所のレーンを左側1カ所に絞ったほか、「ポールの設置」「入口を目立たせる緑色のカラー舗装」などの対策をしたといいます。
ただ、高速道路の逆走は物理的な対策だけでは防ぎきれていないのが現状です。
「逆走事案の件数は数年横ばいの傾向。いまだ年間200件以上全国の高速道路では発生している状況です」
「逆走が起きやすい場所というのは特に地域とか路線での傾向はあまりなくて、どのICでも起こりえることで、特徴というのはそういった意味では無いので、気を付けていただきたい」(NEXCO中日本 高速道路ドライブアドバイザー 花田大輝さん)

事故のリスクを高めるのは、「逆走」だけではありません。
高速道路上での運転の注意点をまとめました。
・渋滞に巻き込まれたら、ハザードランプで周囲に危険を知らせる
後続車に知らせることで、追突事故のリスクを減らす。
・「画面」に気を取られない
慣れない場所だとカーナビに集中してしまうかもしれませんが同乗者にチェックしてもらうのも手です。
・トンネルの内外でスピード差に注意
トンネルの中では速度の感覚が鈍りやすく、中と外でのスピードに注意。
・故障して停車した場合は、安全な場所から通報