客や患者の迷惑行為にNO! 愛知県「カスハラ防止条例」が10月1日施行 罰則は設けず

カスタマーハラスメントの防止をめざす愛知県の条例が施行されました。
愛知県で1日施行されたのが「カスタマーハラスメント防止条例」。
顧客や患者からの暴言や理不尽な要求など、働き手に対する迷惑行為をなくそうと作られました。
「カスタマーハラスメントは行政的にも課題になっていましたし、社会全体で取り組んでいくために、何か取り組みをしたいということがきっかけになった」(愛知県労働局 労働福祉課 松井勇樹さん)
4月に条例を施行した三重県桑名市では、カスハラ行為をした人の氏名公表にまで踏み込む制裁措置も。
愛知県では罰則までは踏み込みませんでしたが――。
「『カスハラ』を禁止する姿勢を訴える条例を早期に制定することを優先して、今回罰則なしという形の条例を制定させていただきました」(松井さん)
県民の反応は?

条例について、愛知県内のスーパーで話を聞いてみると――。
「カスハラを受けたことがあります。『あなたなんか退職に追い込んでやる』と言われたことがあります」(50代 事務職)
Q.10月から愛知で条例が施行されたがどう思う?
「いいと思います。 働く人も安心して働けるなら」(50代 事務職)
接客業の30代男性は、仕事ではメリットがあると感じながらも、客側の目線ではこんな疑問が。
「ハラスメントの定義があいまいかなと思うので、言っていいことかもしれないけれど、それも言えなくなってしまうこともあるかも」
アオキスーパーは去年から「基本方針」

「アオキスーパーでは、愛知県の条例に先がけ、『従業員を守る』ための取り組みが去年から始まっていました」(西尾菜々美アナウンサー)
愛知県内に50店舗を展開する「アオキスーパー」。
2024年7月に、カスハラ対策の“基本方針”を独自に打ち出しました。
対象は、客による「威圧的・脅迫的な言動」「不合理な要求」「過剰な時間的・場所的拘束」。該当する行為があった場合、店側が利用を断ると明記しています。
以前はレジ対応をめぐる長時間の"クレーム"などもあったといいますが――。
「『ここまでは対応する』『これ以上は対応しない』という線引きができたので、30分まではお客さんの対応をする。それ以降同じことを繰り返すお客さんは、対応をお断りさせていただく」(アオキスーパー日進店 内田拓也 店長)
基本方針を出してから1年以上たち、対応件数は大きく減少。スタッフの安心感につながったとも話します。
今回の愛知県の条例にも期待が大きいといいます。
「お店でカスハラ対策の周知徹底をさらにしていきたいと思いますが、県が条例を出していることで、盾になると思います」(内田店長)