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26年間なぜ逃げ続けられた?時効撤廃で逮捕された安福久美子容疑者(69) 未解決事件が急展開 名古屋・西区主婦殺害「逮捕がゴールではない」元埼玉県警捜査一課・佐々木成三氏の分析

CBCテレビ
11.06(木)19:33

1999年11月、自宅アパートで刃物で刺され殺害された、名古屋市西区の主婦・高羽奈美子さん。当時2歳だった息子の航平くんはリビングにいましたが、無事でした。部屋には、食べかけのみかんやカップ麺がそのままになっていました。

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奈美子さんは几帳面な性格だったため、“来客があったらそれらを片付けていただろう”ということで、来客を予期しない状況で突然襲われたのではないかとみられます。

犯人は血を流しながら逃走したとみられ、血痕がアパートから約500mにわたって残っていました。

なぜ26年経った今、逮捕に至ったのか。元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんにお話を伺います。

初動はどんな捜査?26年なぜ捕まらなかった?

(元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん)
Q.初動としてはどんな捜査が行われていたとみられる?
「26年この容疑者が捜査対象に浮上しなかったということは、警察も公表している通り、5000人の捜査対象者を、一つ一つDNAなどで打ち消しの捜査をしていたということだと思います」

Q.なかなか逮捕に至らなかったんですが、この理由として考えられることは?
「被害者の奈美子さんとは接点がない。そして、夫の悟さんとも接点がかなり希薄だと。対象というのは、最新の交友関係者から対象者を浮上させるので、高校の同級生まで対象者を広げるというのは、難しかったのかなというふうには感じます」

しかし、去年一気に流れが変わりました。担当刑事が変わったことで逮捕に至ったということです。

去年、発生時から事情聴取した5000人以上の関係者から、数百人に絞って再捜査が行われました。その数百人の中に、安福容疑者が含まれていたということです。

そして、今年8月からは容疑者を複数回任意で事情聴取。ただ、DNAの提出については、拒否し続けていたということです。

10月30日(木)になって、DNAの提出に応じた容疑者。数時間後に出頭してきました。そして、現場に残された血痕のDNA型と一致したということで、翌日31日(金)逮捕に至りました。

「かなり動揺した様子を見せたのでは」

(元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん)
Q.担当刑事が変わって、一気に展開が変わるということはあるんでしょうか?
「事件も人の捜査なので、これまでの得た知識や経験などで捜査方針というのが決まるのはあると思います。ただ、今回は26年間蓄積された捜査資料が土台となっているのも、間違いないと思っています。だからこそ、このDNA鑑定に繋がる捜査対象者を絞ることができた。今の担当刑事の素晴らしい、効果的な捜査だったなというふうには感じます」

Q.なかなか容疑者逮捕には至らなかったが、長年の捜査蓄積も重要だった?
「もちろんです。これは逮捕がゴールではない。公判廷を見据えた捜査というのは、蓄積した現場検証と裏付け捜査、これが必ず生きてくると思います」

Q.DNAの提出を拒否し続けるという情報もあったが、一般論としてDNAというのはどういったものの提出を要求していくのか。拒否する人も中にはいるのか。そういったとき、警察はどんな点に注目する?

「DNAは、口腔内の細胞を取る。簡単に綿棒のようなもので取るだけなので簡単なんですが、もちろんDNAを断るというのは、僕も(経験が)多くありました。断るというのは権利、任意提出なので。ただ、容疑者が言っている通り、警察が来たときに、かなり動揺した様子を見せたのかなと思います。それを根拠に、DNA提出に応じて、翌日にはDNA型一致してますと。これは、かなり早急にDNA鑑定を行ったということもわかるので、この時にはかなり疑いが強いというのがあったのかもしれないですね」

「今起きている事件のDNA鑑定も同時でやっているので、そこに対して優先順位を上げて、1日でDNA鑑定を行ったというのは、このときに何か容疑が強いというのはあったのだと思います」

背景には“時効撤廃”も?

そして、26年間で“時効撤廃”に関しても、かなり大きなインパクトを与えました。
奈美子の夫・悟さんはこう話しています。

「時効撤廃になってからは特命班ができ、すごくコミュニケーションが取れるようになりました。時効撤廃で長い間捜査ができるということで、徐々に刑事の方がよく連絡をくれるようになった。時効撤廃の効果は、この特命班ができたということが大きい」

(元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん)
Q.時効撤廃、並びに特命班の設置これについてはどう見ている?
「ちょうどこの時効が撤廃した時に、各都道府県警に未解決捜査の継続捜査班というのを専門で作った。その中で私も埼玉県警でこの継続調査班には従事したんですが、やはり全ての事件を1度洗い直すんです。そこから、全て未解決の事件を警察署の刑事に任せていたのを捜査一課が担当になるので、この時にコンタクトを取り始めた。夫の悟さんがおっしゃっているのは、そういうことだと思います」

Q.特命班というのは、どれぐらいの規模でどのような捜査をしていく?
「愛知と埼玉は同じ規模くらいの警察官の数なので、多分20人くらいだと思います。ただ愛知は未解決事件はこの事件だけではないので、それぞれの事件を1人1人が確認する。当時捜査本部が終わってから、ここ数年の捜査本部が捜査に従事した警察官の数は10人はいなかったんじゃないですかね」

逮捕された安福容疑者 どんな人物だった?

26年間の安福容疑者の様子も徐々にわかってきました。家族とともに名古屋市内で生活。自宅は高羽さんの自宅の近くで、逮捕時は名古屋市内のスーパーで事務員のアルバイトをしていました。家族や勤務先などには事件について話さなかったと。

奈美子さんの夫・悟さんは「(犯行後に)うちの近くに住み続けていたとはびっくりしました」と話しています。

これだけを見ると、普通の生活を送っていたようにも見えるんですが、その後の調べに対しては…

「毎日不安だった。事件について新聞も見られなかった。事件の日が近づくと悩んで気持ちも落ち込んで沈んだ。家族や親族がいるから迷惑をかけられないし、捕まるのが嫌だった。今年8月に警察が来て、捕まってしまうことを覚悟した。被害者に対して申し訳ない」と話しています。

(元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん)
Q.この生活だけを切り取ると、普通のように見えますが、やはり遺族の声というのは大きな影響を与えた?
「すごく大きかったと思います。悟さん・息子さんが諦めずに現場を残していたということ、やはり定期的に取材に応じて、命日においてもチラシを配っていた。こういった行動は、少なからずこの容疑者に大きなプレッシャーを与えていたと思います。警察が来た時に、もう逃げられないと思ったのは、こういった活動があるからだと思います」

バレンタインにチョコや手紙 告白も…

改めて悟さんと安福容疑者の関係を確認します。

悟さんと同じ高校で同じ部活に所属していた同級生という安福容疑者。悟さんはバレンタインにチョコレートや手紙をもらった、告白も受けたと振り返ります。ただ、思いには応えられなかったと。そして、別々の大学に進学しますが、大学時代も悟さんの試合を安福容疑者が見に来たり、大学まで来て交際を求められ、断ると泣かれたということです。

そして、そこから約20年後、2人は40代になり、部活のOB会で再会します。そこでは一言会話をしたということです。

安福容疑者からは「結婚して子どももいて、仕事も頑張っている」と聞いて、悟さんは「頑張っていてすごいね」というようなことを返したと。

ただ、この部活のOB会から5か月後に事件が発生し、奈美子さんが殺害されました。

逮捕して数日後には、現場検証…この先は?

Q.なぜ奈美子さんを殺害したのか。今後、警察はどういった形でこの容疑者に対してアプローチしていくんでしょうか?

(元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん)
「今回容疑者が自ら出頭しているということから、その供述内容はかなり詳細に喋っている可能性はあると思います。逮捕して数日後には、現場検証を行っていますよね。これはやはり犯行のときに、自分が玄関に入ったときに被害者がどういう行動をしたのか。殺害した後どのような行動をとったのか、その時に何があって子どもはどういうことをしていたのか。これは犯人しか知り得ない状況を詳細に話してる可能性はあると思うんです。今回、DNAだけではなくてあらゆる証拠を集めるということについては、この裏付け捜査というのがかなり重要になってくると思います」

Q.動機は今後表に出てくる?
「公判廷を見据えたと言っているので、これは逮捕がゴールではないと。公判廷において、公正な裁判で有罪判決を受ける、相当な刑を受けるところまで考えているのが警察の捜査なんで、もし不利となるようなものであれば、警察は公表することはないと思う」

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