愛知県内の特殊詐欺による被害総額は、ことし5月までに164億円を超えています。
【写真を見る】防音ブースにAIルーム “トクリュウ”特殊詐欺拠点の実態とは… ホワイトボードに「死」の文字 愛知の特殊詐欺被害は164億円超
(警察官だと名乗る人物)
「まずね、今回の事件についてね、AさんのB銀行口座にて、8000万円以上のやり取りで犯罪に関与しておりました」
京都府警の警察官だと名乗る人物からの電話。ことし1月、愛知県内に住む40代の女性にかかってきました。
(警察官だと名乗る人物)
「今入っているお金、100万円でいいです。100万円送ってください」
(40代女性)
「100万円も出すんですか?」
(警察官だと名乗る人物)
「すぐね元に戻してもらうんでね、大丈夫ですよ」
愛知の特殊詐欺被害総額 5月までに164億円超
「事件に関与している」などと不安をあおり、捜査を名目に金銭をだまし取る手口。こうした「特殊詐欺」もトクリュウによる犯行が多く、被害が急増しています。
愛知県内での特殊詐欺による被害総額は、ことしは5月までに164億円を超えていて、去年の同じ時期に比べ2.4倍の額になっています。
(矢野司記者 2025年8月 中部空港)
「カンボジアから移送された日本人が、中部国際空港の到着ロビーに出てきました」
2025年8月、警察はカンボジア北西部の都市ポイペトの詐欺拠点で、「かけ子」をしていた日本人29人を逮捕。このうち20人あまりが起訴されています。
防音ブースにAIルーム… 詐欺拠点の実態とは
詐欺拠点の実態も、徐々に明らかになってきました。
こちらが拠点内部を現したイラストです。日本人の「かけ子」が黒で、監視する中国人の指示役が「赤」で描かれています。
「かけ子」たちは、防音ブースで詐欺の電話をかけていました。
さらに、「AIルーム」と呼ばれる部屋の存在も明らかになっています。パソコンの画面にはいくつかの顔が「AI」で生成されているのがわかります。「かけ子」はターゲットにした人物とビデオ通話する際に、こうした自分とは違う顔を使って別人になりすまし巧妙にだます手口。
進捗状況などがわかるホワイトボードも
さらに、拠点内部に確認できるホワイトボードには、「かけ子」の名前や電話でやりとりした進捗状況などがわかるようになっています。
(松田亘哲記者)
「『留』の文字は、だます相手の行動確認ができている。つまり、詐欺が継続している状況を意味。『死』の文字は、相手をだますことができなかった意味だということです」
大規模詐欺グループの”重要人物” タイで拘束
(佐々木裕介容疑者)
Q.カンボジアで特殊詐欺に関与していた?
「…」
Q.カンボジアにいた?
「…」
6月5日、タイの首都バンコクで入管法違反の疑いで拘束されたのは、佐々木裕介容疑者。捜査関係者によりますと、佐々木容疑者は日本人29人が「かけ子」をしていたカンボジアの特殊詐欺拠点のオーナーと見られていて、大規模詐欺グループの”重要人物”。
タイ当局によると、佐々木容疑者は拠点を管理する中国人らと協力し、「かけ子」らに遠隔で指示を出したり、勧誘した日本人を拠点に送り込んでいたということです。
被害額は数十億円に 6月中にも日本へ移送
(タイ警察 タッチャイ副長官)
「(佐々木容疑者は)警察官を装った詐欺と関連する資金洗浄に関与したとみている。被害額は数十億円に上る」
6月中にも、日本へ移送されるという佐々木容疑者。愛知県警をはじめとした合同捜査本部が、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕し、組織の実態解明を進める方針です。


